最激戦地のバフムートでは新たな墓が毎日のように作られている(12月18日、写真:AP/アフロ)

 12月12日頃からロシア軍(露軍)の本格的な冬季攻勢が開始された模様である。

 今冬で露軍が勝利しウクライナ戦争に決着が着くかどうかの分岐点に差し掛かっている。

東部ドンバスの要衝バフムートの攻防

 東部ドンバスのバフムートは、かつては人口7万人のワインと岩塩採掘で有名なドンバスの中心都市の一つであった。

 しかしバフムートは、2014年のマイダンクーデター以降、8年間にわたりNATO(北大西洋条約機構)の支援を受け要塞化されてきた。

 ここで私がマイダンクーデターと呼びマイダン革命と言わないのは、選挙で合法的に選ばれた親露派のヤヌコーヴィッチ大統領を武力により放逐した「民主革命」の名を騙った実質的なクーデターであったからである。

 2013年12月に起きたユーロマイダン広場でのデモ隊の民衆と当時のヤヌコーヴィッチ政権側の警備部隊の間に、極右武装勢力が銃弾を撃ち込み、デモ隊に潜入した過激派がデモ隊を暴徒化させ、その後親露派のヤヌコーヴィッチ大統領をロシアに逃亡させるに至った経過も判明している。

 同クーデターを企画し支援したのは、当時のビクトリア・ヌーランド米国務次官補などであり、彼女が現地に入りデモ隊を激励しているビデオも、クーデター後の新政権の指導者人事を指名しているウクライナ駐在米大使との電話内容も確認されている。

 ヌーランド自身も米議会で、電話内容を否定していない。

 同市の市街地は、コンクリートで固められた地下掩体壕が張り巡らされ、要点には戦車や火砲、ミサイルなどが配備され、堅固な要塞と化している。

 そのバフムートは、ウクライナ軍(宇軍)の砲兵部隊の司令部がかつて所在していたが、現在は東部ドンバスの宇軍防御陣地帯の中郭拠点、補給中枢となっている。

 バフムートは交通の要衝でもあり、市の西側には鉄道が南北に走り、高速道路も東西に走っている。

 今夏以来の露軍の猛攻に耐えて、バフムートが持ちこたえてきたのは、備蓄された膨大な弾薬、装備、食糧などと、それを背後から支えてきた兵站補給線が確保できたためであろう。

 バフムートには兵員も多数増援のため送り込まれた。守備兵力は約2万人だったが、当初守備していた宇軍正規軍は大規模な損害を受け、増援兵力がヘルソン正面などから増援された。

 しかし、増援兵力の多くは市街戦に不慣れな特殊部隊と訓練不足の予備役兵のため損害が続出し、それを補うためNATO各国の軍人が数千人規模で契約軍人などとして宇軍の戦闘服で戦闘員として送り込まれた。

 中でも多数を占めたのがポーランド軍だが、損害も多く約5000人の死傷者が出たとの見方もある。

 ウクライナ戦争での各国軍人の死傷率について、ポーランド軍は4%とみられている。

 また、HIMARS(High Mobility Artillery Rocket System=高機動ロケット砲システム)などの米軍の最新装備は主に米軍人により操作されており、派遣された米軍の死傷率は1割に上るとの見方もある。

(“What Country Lost the Most Volunteers in Ukraine” @HistoryLegends, December 10, 2022)