平和の願いを全身全霊で 「第九」200年記念演奏会(群馬・前橋市)

声高らかに第九を歌い上げるメンバー

 ベートーベン作曲「交響曲第9番」の初演から200年を記念した演奏会が6日、群馬県前橋市の昌賢学園まえばしホール(市民文化会館)で開かれた。この日の演奏を目指し県内の有志が立ち上げたベートーベン研究会の合唱団員約60人が、結成から2年半の思いを込めて高らかに響かせた。

 ベートーベンは青年期、フランス革命に影響を与えたシラーの詩に曲を付けようと誓い、約30年後の晩年に第九を作曲。1824年5月7日にウィーンで初演された。同研究会はコロナ禍で発声が制限された2021年に結成して音楽史や歌詞の意味を学び、合唱の練習を重ねてきた。

 この日は11~89歳の団員が、本県ゆかりのプロ演奏家約50人で結成した特別交響楽団の演奏に乗せて練習の成果を披露した。自由、博愛、平和の願いが込められた「歓喜の歌」を全身全霊で歌い上げると、約900人の来場者から「ブラボー」と大きな拍手が送られた。

 同研究会の音楽監督を務めたバリトン歌手の猿谷友規さんは「ベートーベンは耳が聞こえなくなっても創作意欲は高まるばかりで、56年の生涯で多くの名曲を残した」と話した。

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