カラス原因の停電、神奈川で相次ぐ 電柱で巣作り 材料の金属が電線に接触

停電発生後にカラスの巣は取り除かれたものの、再びカラスの巣のようなものがみられた=4月26日、海老名市杉久保北2丁目

カラスが電柱に巣を作ることで発生した停電が神奈川県内で相次いでいる。巣の材料として運んできたハンガーや針金などの金属が電線に接触することが原因で、産卵のために営巣する春先から初夏にかけて毎年全国で発生しているという。送配電を担う東京電力パワーグリッド管内で年間5千から6千件もの巣が電柱に作られ、同社が撤去するなどしており、いたちごっこの様相を呈している。

 3月28日夜、海老名市と綾瀬市で計約2300軒の停電が発生した。同社が原因を調べると、海老名市内の電柱の上にあったカラスの巣にたどり着き、現場で担当者が巣を取り除いて復旧した。

 同社神奈川総支社によると、同様のケースは3月以降、横浜市港北区や川崎市多摩区、藤沢市、横須賀市などで少なくとも7件発生。いずれもカラスが運んできた針金などの金属が電線内の導線が露出している部分に当たって漏電が発生し、停電につながったとみられる。

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