【感染症ニュース】RS感染症増加中の北海道から 4歳児でも珍しく症状重いケースも 0-1歳児は体調の急変に注意
2023年3月17日更新
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お子さんの体調変化と周囲の流行の確認を
お子さんの体調変化と周囲の流行の確認を
 国立感染症研究所の感染症発生動向調査週報2023年9週(2/27〜3/5)によると、RSウイルス感染症の定点あたりの報告数は0.34と前週よりも0.03ポイント増加しました。

 都道府県別では、北海道の1.73をはじめ、佐賀、新潟で1を超えています。

 今回は、流行の兆しもある北海道から、「感染症・予防接種ナビ」に寄せられた、4歳の方の経験談をご紹介します。

北海道・4歳

1日目
朝37.7℃ ほんの少し咳
夕方おにぎり食べて昼寝
昼寝後39.7℃ ほぼ寝ていて食欲なし

2日目
朝37.4℃ 咳ゴホゴホし始める鼻水少し
小児科受診 RS陽性
インフルエンザ陰性
帰宅後熱が上がり始め39.5℃
座薬後37.5℃

3日目
朝38.1℃ 咳ひどい 鼻水増えてくる
1日中38.1から38.9℃でぐったり
寝入り、夜中も咳がひどい

4日目
朝38.1℃ 咳が悪化している為、再診
インフルとコロナ陰性
RSが長引いているとのことで吸入追加
夜40.3℃ 寝入りの咳がひどい

5日目
朝38.5℃ 咳ひどい 鼻水かめるように
37.4℃まで下がり元気見られる
昼38.7℃ 昼寝後~夜37.3℃
寝入り咳き込み

6日目
朝36.5℃ 咳前日より良くなる
夜36.9℃ 機嫌も良くなり
食欲も少し戻る
寝入りの咳き込みも減る

7日目
朝36.9℃ 咳昨日と同じく
鼻水黄色になる

丸4日高熱で咳き込みも激しく、食欲もほとんどなく辛そうでした。
5日目も微熱が続いていましたが6日目に解熱。
解熱してから機嫌や食欲が戻り、透明の鼻水も黄色っぽくなり、咳が減り始めました。

感染症の専門医は…

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「一般にRSウイルス感染症で、重い症状が出るのは0-1歳児が中心で、再感染以降は、症状が軽くなります。RSウイルス感染症と診断されたとのことですが、ある程度の年齢のお子さんが、発症し高熱が続くのは、珍しいケースです。RSウイルス感染症は、感染から悪化するまでのスピードが早いです。ただの風邪だと思わずに、お子さんの様子を見て、いつもと違う様子がみられたら、迷わず、かかりつけ医の受診をお願いします。また、周囲で流行しているとの情報があれば、気をつけてください」としています。

予防

 RSウイルス感染症は予防の難しい感染症ですが、飛沫感染と接触感染でうつるので、新型コロナウイルス感染症と同様の予防方法が有効です。

 日常の手洗いやマスク、そして子どもが触るおもちゃや手すりなどの消毒。

 そして、咳などの呼吸器症状がある場合は、人に会わないようにしましょう。

 特に0歳児や1歳児など、症状が重くなりやすい子どもには、なるべく接触しないようにすることが重要です。

 年長の子どもが外出先で感染し、乳幼児にうつすということもよくあるので、家庭内での感染対策を今一度確認しましょう。

まとめ

 厚生労働省によると、RSウイルス感染症に成人がかかった場合、普通の風邪のような症状ですが、RSウイルスに感染したお子さんを看護する保護者や医療スタッフは、一度に大量のウイルスに曝露して感染することで、症状が重くなるケースもあると言うことです。

 RSウイルス感染症はRSウイルスに感染している人が咳やくしゃみ、又は会話をした際に飛び散るしぶきを浴びて吸い込む飛まつ感染や、感染している人との直接の濃厚接触や、ウイルスがついている手指や物品(ドアノブ、手すり、スイッチ、机、椅子、おもちゃ、コップ等)を触ったり又はなめたりすることによる間接的な接触感染で感染します。

 感染対策としては、子どもたちが日常的に触れるおもちゃ、手すりなどはこまめにアルコールや塩素系の消毒剤等で消毒し、流水・石鹸による手洗いか又はアルコール製剤による手指衛生が有効とされています。

引用
厚生労働省HP RSウイルス感染症Q&A
国立感染症研究所 ホームページ:IDWR2013年第36号<注目すべき感染症>RSウイルス感染症

取材:大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏

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