兵庫県教育委員会は、神戸市立を除く県内の公立学校で計114人の教員が不足し、計画通りに配置できていないことを明らかにした。前年度より28人増えており、尼崎市の中学校では一部の授業を自習にせざるを得ない事態に陥っているという。
県教委が各市町立と県立学校の5月1日時点の教員不足について、短時間勤務の非常勤講師を常勤換算して調べたところ、小学校46人(前年度比24人増)▽中学校46人(同11人減)▽高校16人(同11人増)▽特別支援学校6人(同4人増)-に上った。
原因としては、小中学校は出産や病気で休職した教員の代わりが見つからない事例が4割、少人数教育のための非常勤講師がいない事例などが3割を占めた。高校は看護、情報など特定の教科が目立つ。
大半の学校は他の教員がカバーしているが、一部では授業に支障が出ているという。
尼崎市教委によると、同市では小学校で2人、中学校で11人が足りていない。特に中学校の国語の教員は産休などで6人が不足し、1校は4月から全学年で国語を週1時間自習にしているという。この学校は臨時講師の確保にめどがつき、7月1日から不足が解消するとしている。
一方、兵庫教職員組合も、神戸市を除く県内40市町教委に小中学校の教員不足のアンケート(5月16日時点)を実施し、常勤換算しない実数で小学校84人、中学校84人を数えた。
現場からは「朝7時出勤で休憩はなく夜9時退勤。新任が7日で辞めた」「わが子と1日10分しか話せる時間がない。続けられない」などの声が上がっているという。
県教委は、教員不足の背景には教育現場の多忙に伴う教員志望者の減少があるとみて「教員OBの確保などの取り組みに加えて、働き方改革で魅力ある職場づくりを進めたい」としている。(古根川淳也、広畑千春)
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