兵庫県姫路市は8日、2023年12月に迎える国宝姫路城(同市本町)の世界文化遺産登録30年に合わせ、歌舞伎「平成中村座」やサーカスの公演、記念シンポジウムなどの事業を展開すると明らかにした。(田中宏樹)
姫路城は1993年12月11日、奈良県の法隆寺とともに国内で初めて世界文化遺産に選ばれた。シラサギが羽を広げたような優美な姿から「白鷺城」の愛称で親しまれる。同遺産登録から29年となる今月11日には、姫路城や市立動物園、城に隣接する「好古園」などを無料開放する。
来年2月には、和歌山県が拠点の「さくらサーカス」が姫路城周辺にテントを設置し、5月下旬までステージを披露する。江戸時代の芝居小屋の雰囲気を再現する平成中村座は5月3~27日の予定で、姫路市では初公演。三の丸広場に芝居小屋を設け、姫路城を借景に歌舞伎を上演する。
西日本を中心に、城のある自治体が集う「特別版お城EXPO(エキスポ)」を9月16~18日にアクリエひめじで開催。12月3日にはアクリエで世界遺産シンポジウムを開く。
同市観光課記念事業準備室TEL079・221・2121
■「『ぎふ信長まつり』みたいな発信したい」
一方、姫路市は8日、取り組みをPRするロゴマークも発表した。記念行事のポスターやチラシに活用し、節目の1年を盛り上げる。
姫路城は1993年12月、世界文化遺産に登録された。市は2023年に多くの記念事業を展開する。
ロゴマークは全国から332点の応募があり、名古屋市のウェブデザイン会社に勤める浜井菜緒さんの作品を採用した。シンプルな図柄で、姫路城の大天守と小天守を表現。観光客らを迎える太陽の光をイメージしたあかね色を用い、「さらに姫路城が世界へ羽ばたけるように」との願いを込めた。
市は、同じく世界遺産登録30年を迎える法隆寺がある奈良県斑鳩町と、互いの行事に参加するなど連携を深める予定。世界遺産の原爆ドームがある広島市との交流も進める。
姫路市観光スポーツ局の大前晋局長は、8日の市議会常任委員会で一連の事業を説明。俳優の木村拓哉さんが参加して話題を呼んだ岐阜市の「ぎふ信長まつり」に触れ、「姫路もいろいろな行事で著名人を呼び、集客や情報発信に努めたい」と話した。
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