【元祖・世界一美しいクーペ】BMW「M6」は次に値上がり必至の優良物件か!?

バブル時代に憧れだったBMW「6シリーズ」の日本での最高峰である「M6」は、現在のオークション・マーケットでどのような評価を受けているのであろうか調査してみた。

元祖「世界一美しいクーペ」の「6シリーズ」とは

 かつて「世界一美しいクーペ」と呼ばれたBMWの初代6シリーズである「633CSi」。型式でいうとE24型というこのクーペは、1977年にデビューし、1984年まで製造されていた。

かつて「世界一美しいクーペ」と称された初代6シリーズは、中古車市場でも昨今見直されてきている(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
かつて「世界一美しいクーペ」と称された初代6シリーズは、中古車市場でも昨今見直されてきている(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's

 その後、E24型6シリーズは、エンジンを3.2リッター直列6気筒から3.4リッター直列6気筒に変更し、名称は「635CSi」と変更して販売が続けられ、1987年には大型の衝撃吸収バンパーを採用。これによってシルエットが若干武骨になってしまったが、クーペとしての基本の美しさは変わらず、1989年の生産中止まで、本来の意味でのグランドツーリングカーとして、人気を保っていた。

 そんなE24型6シリーズの、トップモデルに君臨するのが「M635CSi」である。

 もともと「M1」に搭載されたM88型エンジン(正確にM88/1型)というのは、純粋なレーシングエンジンとして開発されたものだった。

 そのM88/1型を市販車であるE24型6シリーズ(M635CSi)とE28型5シリーズ(M5)に搭載するため、ドライサンプであったオイル潤滑機構をウェットサンプにし、ダブルタイミングチェーンをシングル化するなどしたのが、M88/3型というエンジンだ。

 ところがこのM88/3型エンジンは、当時もっとも厳しいといわれていた北米や日本での排気ガス規制に対応できなかった。

 そこで北米市場と日本市場用としてBMWがM88/3型エンジンをベースに開発したのが、S38型エンジン(S38B35)である。具体的な違いは、低圧縮比への変更や等長エキゾーストマニホールドを廃止するなどして、最高出力がM88/3型の286psから260psへとダウンしている。

 このエンジンを搭載したモデルを当時「M6」と呼んだ。つまり、S38B35エンジンを搭載するE24型M6というクルマは、日本と北米でしか販売されていなかったわけである。

 当時日本では、M88/3をデチューンしたS38B35エンジンは評価が低く、M88/3型エンジンを搭載したM635CSiを並行輸入する例が多かった。ボンネットフードを開けると、ヘッドカバーのデザインが異なっているので一目瞭然である(エンブレムと「M Power」とあるのがM635CSiで、「BMW M Power」とあるのがM6)。

 しかし、いまとなってはM88/3エンジン搭載のM635CSiも、S38B35エンジン搭載のM6も個体数が減っていることもあり、大切に乗っているオーナーが多くなった。

 ちなみにS38型はその後、排気量をアップすることで311psを発生する3.6リッターのS38B36に進化。さらに335psを発生する3.8リッターのS38B38へとアップグレードして、E28型の次世代モデルとなるE34型「M5」に搭載されている。

【画像】再評価されている「世界一美しいクーペ」とは(23枚)

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