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公開日:2024/04/24 更新日:2024/04/24

拝受の意味は?ビジネスで使える例文や言い換え表現を紹介

ビジネスシーンで使用されることの多い「拝受」という言葉。日常生活ではあまり馴染みのない言葉であるため、「どんな意味なのか」「正しい使い方が分からない」という人も多いかもしれません。
そこでこの記事では、「拝受」の意味やビジネスシーンでの正しい使い方を例文とともに解説します。類語・言い換え表現もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

「拝受しました」の「拝受」とは

「拝受」は、ビジネスメールや手紙などでよく用いられます。まずは「拝受」の正しい意味や読み方について確認していきましょう。

読み方・意味

「拝受」は、何かを受け取った際に使われる言葉で「はいじゅ」と読みます。相手に対してへりくだった立場で伝える謙譲語で、「拝」には「崇める」「頭を下げる」、「受」は「受け取る」「受け入れる」などの意味があります。
ビジネスの場面では、取引先からのメールや荷物を受け取ったときや、上司から重要な書類を渡されたときなど、目上の人から何かを受け取った際に用いられることが多いです。
「受け取りました」と伝えるよりも丁寧な印象となり、受け取りと感謝の意を同時に表現することができます。

「受領」との違い

「拝受」に似た言葉として「受領」が挙げられます。「受領」とは「金品など重要なものを受け取る」という意味で、「拝受」と同様に「受け取る」という点では共通しています。
しかし、「拝受」が相手を敬う敬語表現であるのに対し、「受領」には敬語的要素はありません。同僚や部下が相手であれば「受領しました」、目上の人に対しては「拝受しました」もしくは「受領いたしました」を使用するのが適切といえるでしょう。

ビジネスシーン別!「拝受」の使い方・例文

ここでは、ビジネスシーン別に「拝受」を使った例文を紹介します。場面や状況に応じて上手に使いこなしていきましょう。

メールを受け取ったことを伝えるとき

メールやチャットを受け取ったとき、「確かに受け取って、内容を確認しました」という意味を込めて、「拝受」という言葉がよく用いられます。

  • ご案内いただいた貴社新製品に関する情報を拝受しました。部署内で協議し、次回の会議で改めてご報告させていただきます。
  • ご提案に関するメール、心より感謝申し上げます。拝受しましたので、部署内で改善策を検討させていただきます。

単に「拝受しました」と伝えるだけでなく、何を受け取ったのか具体的な内容を記載し、送り手が理解しやすいよう配慮することが重要です。また、内容を確認したあとのアクションについても言及しておくことでより丁寧な印象を与えられるでしょう。

資料などを受け取ったことを伝えるとき

書類や資料が無事に到着したことを伝える際にも、「拝受」はよく使われます。この表現は、受け取ったことの確認と感謝を示す際に適しています。

  • お送りいただいた契約書類を拝受しました。詳細を確認後、追ってご連絡させていただきます。
  • 先程サンプルを拝受しました。こちらをもとに企画を進めさせていただきます。

資料や書類を送ってきた相手に対して、「確かに届きました」ということが伝わるように、何を受け取ったのかについて言及します。感謝の気持ちを示すとともに、次のアクションについても触れると丁寧です。

取り急ぎ、受け取ったことの報告やお礼を伝えたいとき

詳しい内容は後ほど確認するとして、取り急ぎ受け取ったことを相手に伝えたい場合にも丁寧な表現として「拝受」が使われます。

  • お送りいただいた書類、先ほど拝受しました。内容を確認後、改めてご連絡させていただきます。取り急ぎ、ご報告まで。
  • 先ほど、プレゼンテーション資料を拝受しました。早速、拝見させていただきます。ありがとうございました。

「拝受の御礼まで」、「拝受のご連絡まで」など単体で使うのは失礼にあたります。先に「資料が届きました」や「中身を確認した後、再度ご連絡します」などの文章を書いてから、締めとして使うのが適切です。最後に、「取り急ぎ、ご報告まで」と締めくくることで、迅速な報告であることを強調することができます。
また、受け取ったことを明確に伝えたうえで、次のアクションや感謝の気持ちを添えることも大切です。適切な文章の流れのなかで用いるようにしてください。

「拝受しました」を使用する際の注意点

「拝受」は丁寧な表現ではありますが、使い方を誤ると不自然な印象を与えてしまうこともあります。以下の点に気をつけて、適切に使用するようにしましょう。

部下や同僚に対しては基本使わない

「拝受」は謙譲語であり、目上の相手に対して使う表現です。そのため、部下や同僚に対して使用するのは適切ではありません。
部下や同僚にはへりくだり過ぎて、かえって不自然な印象を与えてしまうので、「受け取りました」「受領しました」といった別の表現を使うようにしましょう。

二重敬語にならないように気をつける

より丁寧にしようと「拝受いたしました」と表現したくなることがあるかもしれませんが、二重敬語になるため一般的には誤りです。
「拝受」は「受け取る」の謙譲語であり、「する」の謙譲語である「いたす」をセットにしてしまうと、二重敬語になってしまいます。誤用ではあるものの、慣習的に使われていることから「問題ない」とする考え方もありますが、違和感を覚える人も少なくありません。
ビジネスシーンでは、正しい敬語表現である「拝受しました」を使うようにしましょう。

「ご拝受ください」という使い方はできない

「拝受」は自分をへりくだって表す謙譲語であり、相手の「受け取る」という行為に対しては使うことはできません。「ご拝受ください」という表現は、自分が相手よりも下の立場にいることを示すため、失礼にあたります。
相手に受け取って欲しい場合には、「お受け取りください」「ご確認をお願いします」などの言い回しを使いましょう。

「拝受」の類語・言い換え表現と例文を紹介

ビジネスシーンでは、「拝受」以外にも受け取ったことを表す言葉がいくつかあります。「拝受」一辺倒にならないためにも、状況にあわせて表現を使い分けていきましょう。

査収(さしゅう)

資料を郵送したり、メールに添付したりする際に、「内容をよく確認して受け取ってほしい」という意味で「ご査収ください」がよく使われます。目上の人に使う場合には、「ご査収の程よろしくお願いいたします」「ご査収くださいますようお願い申し上げます」とするとより丁寧な印象になります。

  • 新製品のカタログを添付しておりますので、ご査収ください。
  • ご請求いただいた資料をお送りいたします。ご査収くださいませ。
  • 先日お送りした見積書について、ご査収のほどよろしくお願いいたします。

頂戴(ちょうだい)

「受け取る」の謙譲語で、特に目上の人から何かを受け取る際に用いられる言葉です。「頂戴する」「頂戴します」「頂戴しております」などと表現します。メールや資料などの物だけでなく、時間や心遣いなどの目に見えないものに対しても使用できます。

  • (取引先から手土産を受け取って)ありがたく頂戴します。
  • 誠に恐縮ですが、資料を頂戴してもよろしいでしょうか。
  • お時間を頂戴しておりますこと、深くお詫び申し上げます。

拝領(はいりょう)

目上の人から物を受け取る際に用いる謙譲語で、相手への敬意を表す「拝」と、「大切なものを受け取る」を意味する「領」から成り立っています。
やや古い言い回しで耳にする機会は少ないかもしれませんが、拝受と同じように使える表現なので覚えておくと良いでしょう。

  • この度は貴重な資料を拝領し、誠にありがとうございます。
  • 社長より記念品を拝領しました。
  • 〇〇様より感謝状を拝領しましたのでお知らせします。

頂く(いただく)

自分の行動をへりくだり相手を立てる謙譲語で、「物や言葉、厚意を受け取ること」に対して使う言葉です。具体的には、物質的なもの(書類、商品、贈り物など)を受け取る場合や、非物質的なもの(アドバイス、承認、情報など)を受ける場合に用いられます。
同様の意味を含む「戴く」という言葉がありますが、常用漢字ではないため「頂く」に統一するのが無難です。
また、「ご確認いただく」のように補助動詞として使用するときは「いただく」とひらく(ひらがな表記にする)のが一般的です。

  • 先日は貴重なご意見を頂き、誠にありがとうございました。
  • 部長から出張のお土産を頂きました。
  • 先週のミーティングでは、〇〇様より詳細な説明を頂きました。

賜る(たまわる)

「もらう」と「与える」の両方を表す言葉です。より堅くフォーマルな表現で、目上の人から何かを受けるときや、目上の人が目下の人に何かを与えたときに使用されます。「賜る」が一般的ではあるものの、文化庁では「賜わる」という送り仮名も許容されています。

  • 社長より直接ご指導を賜り、大変光栄に存じます。
  • 平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
  • 功績に対し感謝状を賜りました。

「拝受しました」へのメールの返信は必須ではない

取引先などから「拝受しました」とメールをもらった際、返信したほうが良いのか迷う人も多いかもしれません。結論からいうと、「拝受」に対しての返信は必須ではありません。頻繁にやりとりをする相手の場合、毎回返信されるのは煩わしいと感じる人もいるからです。相手との関係性によっては、返信しなくても問題ありません。
ただし相手が顧客の場合などは、返信したほうがより丁寧な印象を与えることができます。返信をする場合は、以下のような簡潔な文面がおすすめです。

  • ご連絡いただきありがとうございます。また、ご不明点などありましたらお気軽にご連絡ください。
  • ご丁寧にありがとうございます。当日〇〇様とお会いできるのを楽しみにしております。

返信するかどうかは、相手とのコミュニケーションの文脈や、ビジネス上の慣習なども考慮しながら柔軟に判断すると良いでしょう。

まとめ

本記事では、「拝受」の使い方や気をつけるべきポイント、言い換え表現などについて紹介しました。
ビジネスメールや手紙、チャットなどで「拝受」を使用することで、相手への敬意や感謝の気持ちを伝えることができ、丁寧な印象を与えられます。ビジネスコミュニケーションを円滑に進めるためにも、「拝受」を適切に活用し、相手との良好な関係構築に努めてください。