JOURNEY

心と体を癒やすウェルビーイングな体験を求めて「SORANO HOTEL」へショートトリップ

2021.12.17 FRI
JOURNEY

心と体を癒やすウェルビーイングな体験を求めて「SORANO HOTEL」へショートトリップ

2021.12.17 FRI
心と体を癒やすウェルビーイングな体験を求めて「SORANO HOTEL」へショートトリップ
心と体を癒やすウェルビーイングな体験を求めて「SORANO HOTEL」へショートトリップ

2020年6月、東京立川市にライフスタイル型ホテル「SORANO HOTEL」がオープンした。都心から1時間ほどのドライブの後にたどり着く洗練された空間には、心と体を癒やすさまざまなコンテンツが揃う。都心と自然が交差する「ウェルビーイング・ショートトリップ」にLEXUSで出かける。

Text by Kaori Kawake(lefthands)
Photographs by Shuichi Okawara
Edit by Shigekazu Ohno(lefthands)

旅のデスティネーションに都市型リゾートという新たな選択肢

よく晴れた朝。流麗なボディラインに青空を映し込んだ漆黒のLEXUS LC500は、ご機嫌そうに低い唸りを上げている。都心の雑踏をそろそろと抜け、いよいよ中央自動車道に乗ると、LC500はリーシュを解かれたハウンドドッグのように、伸びやかな俊足ぶりを見せてくれる。
駅周辺の喧騒を抜けると急に空が開け、奇麗に整備された緑道が現れる
駅周辺の喧騒を抜けると急に空が開け、奇麗に整備された緑道が現れる
約1時間のドライブで到着したのは、2020年6月、立川駅北側の新街区「GREEN SPRINGS」(グリーンスプリングス)内にオープンしたライフスタイル型ホテル「SORANO HOTEL」(ソラノホテル)。地元に拠点を置く「立飛ホールディングス」が、100年先を見据えた立川の街づくりの一環として計画してきたという、ここにしかないインディペンデントなホテルだ。
コンセプトは「ウェルビーイング」。心と体の癒やしにつながるストレスフリーな場所を目指しているという。コロナ禍でマイクロツーリズムが見直される中、都心から気軽に出かけられるデスティネーションとして人気を集めてきた。

この場所で、一体どんな非日常体験が待っているのか。期待に胸を膨らませながら、車寄せへとLC500の黒い車体を進めた。
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「エコロジー」「サステナブル」な思想が息づく洗練空間

エントランスからロビーに足を踏み入れると、吹き抜けが印象的な開放感あふれる空間が広がっていた。大きな窓から見えるのは青い空と豊かな緑だけ。まるで箱根や軽井沢を訪れたかのような、リゾート地さながらの景色だ。ナチュラルなカラーでまとめられたインテリアは洗練された上質さを醸し、訪れる人を優しく包み込む。
ナチュラルなカラーでまとめられたインテリアが、窓外の豊かな自然の色彩をより一層際立たせる
ナチュラルなカラーでまとめられたインテリアが、窓外の豊かな自然の色彩をより一層際立たせる
インテリアデザインを手がけたのは、世界的に活躍するフランス出身のデザイナー、グエナエル・ニコラ氏。グランピングからインスピレーションを得たという建築的意匠も美しく、ゆったりとしたリゾート時間へと誘ってくれる。

「内装は足し算によってつくられる華美なものではなく、むしろ引き算されたミニマルな世界観でお願いしました。日本のホテルは不便を感じさせないために、あれもこれもと付け加えてしまう傾向にあります。しかし、そうすると結果的にホテルの中がごちゃごちゃしてしまうんですね。できる限り要素を削ぎ落とし、素材の良さを活かした設えにしてもらいました」と話すのは、ソラノホテルを運営する「立飛ホスピタリティマネジメント」のCOO 坂本裕之氏。
「立飛ホスピタリティマネジメント」のCOO坂本裕之氏
「立飛ホスピタリティマネジメント」のCOO坂本裕之氏
ここにはシャンデリアやアートワークといった装飾品はほとんど存在しない。あるのは審美眼によって選び抜かれた必要最低限のものだけ。

「本当の美しさというのは『何もない』空間にこそ宿る」というのが坂本氏の持論だ。

その思想はインテリアのみならずアメニティーにも反映されており、例えば環境への負荷が大きい使い捨ての歯ブラシは置いていない。また、ヘア&ボディウォッシュとコンディショナーもEUの厳しいオーガニック認証をクリアした、人にも環境にも優しいオーストリア製のオーガニックアメニティが採用されている。
レーダーハース社が手がけるアリヴェのヘア&ボディウォッシュとコンディショナー
レーダーハース社が手がけるアリヴェのヘア&ボディウォッシュとコンディショナー
ソラノホテルのコンセプトは「ウェルビーイング」。

「お客様、自然環境、地元や生産者のみなさま、すべてに心地よくあることがこれからのホテルには必要なのではないでしょうか。それを可能とするエコロジーシステムを構築して実践していくのが我々の役目だと感じております」と坂本氏。

究極の引き算によってつくり上げられていたのは、消費型ラグジュアリーとは一線を画す、環境への配慮を重視した新たな心地よさだった。

空と大地の広さを感じられる、ゆったりとした客室

すべてが52㎡以上あるという客室は全81室。各部屋に設えられたバルコニーからは、遮るもののない広々とした空と、道路を隔てて隣接する昭和記念公園の豊かな緑を望むことができる。
ベッドからも景色を楽しめるプレミアパークビュー
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余計な装飾を省いたシンプルなインテリアはもちろん、素材やデザインにこだわった部屋着や室内履き、タオルといったあらゆる備品からもセンスとこだわりを感じ取ることができる。
スパ・トリートメント(1名分)付きのスパスイート。86㎡ある広々とした部屋には、ミニキッチンも完備されている
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愛犬との時間を楽しむことができるドッグフレンドリールームもあり、シチュエーションに合わせてさまざまな部屋タイプから選べるのもうれしい。

インフィニティプールで心と体をリセット

「ウェルビーイング」をコンセプトとするソラノホテルを象徴する場所とも言えるのが「SORANO SPA」(ソラノスパ)。

10階には温浴施設・インドアスパとサウナ、ジムがそろうほか、ホテルの最上階にあたる11階には長さ60mを誇るインフィニティプールが広がる。いずれにも独自に掘削した温泉水が使用されており、1年を通して快適な温度で楽しめるのもうれしい限りだ。
ナノミストサウナやジャグジーなども用意されたインドアスパ
最上階に上がると、大きな空を仰ぎ見る圧巻の景色が広がる。晴れた日には富士山も望める
冬には湯気が立ち、趣が変わるというインフィニティプール。18時以降は利用者を16歳以上に限定した大人専用に
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大きな空と眼下に広がる自然を感じながらのプールはぜいたくそのもの。仕事や家事に追われて疲れた心と体を解きほぐしてくれる。

プールで体を動かした後は、インフィニティプールの目の前にある「SORANO ROOFTOP BAR」できらめく水面を見ながら一杯というのもぜいたくだ。
バーテンダーの中野博史氏。気さくな会話と独創的なカクテルで訪れる人を癒やしてくれる
バーテンダーの中野博史氏。気さくな会話と独創的なカクテルで訪れる人を癒やしてくれる
日頃、せわしなく頑張る自分へのご褒美には、大人なChill(安らぐ時間・空間)をテーマにした「紅茶とカルヴァドスのオールドファッションド」がお薦め。カルヴァドスと紅茶を合わせたハーフロックスタイルで仕上げられるカクテルは、穏やかなほろ酔いを誘い、時間の経過をゆっくりと楽しむことができる。

あるいはリゾート時間を盛り上げるなら、昭和記念公園の爽やかで生き生きとした自然をイメージした「ハーバルフィズ」を。スペアミントの青さも感じられる清涼感とパイナップルビネガーの果実味が感じられる一杯は、まさにプールサイドにふさわしい。
「紅茶とカルヴァドスのオールドファッションド」(左)と「ハーバルフィズ」(右)
「紅茶とカルヴァドスのオールドファッションド」(左)と「ハーバルフィズ」(右)

目にも舌にもおいしい「食」が誘う、口福なウェルビーイング時間

リゾートの締めくくりにして最大の楽しみは、やはり「食」だろう。

ソラノホテルのオールデイダイニング「DAICHINO RESTAURANT」で供されるのは、既成概念にとらわれない新しいスタイルの日本料理。

「日本料理をベースにさまざまな国のエッセンスを掛け合わせ、これまでにない新しいおいしさを追求しています」と話すのは、総料理長の竹田光良氏。
「ザ・ウィンザーホテル洞爺」をはじめとする一流ホテルの厨房で腕を振るってきた竹田光良氏
「ザ・ウィンザーホテル洞爺」をはじめとする一流ホテルの厨房で腕を振るってきた竹田光良氏
「適地・適作」をモットーに質の高い食材のみを仕入れ、そのポテンシャルを引き出す組み合わせや調理法を常に模索しているという。

「長野や山梨といった近隣地域から都内へと食材を運ぶ流通の要所でもある立川は、質の高い新鮮な食材が手に入りやすい場所です。そうした利便性を活かし、季節ごとのおいしい食材を各地から仕入れています」

ダイニングには、ワインセラーのみならずフィッシュセラー、野菜セラーが並び、食材へのこだわりの強さが感じ取れる。

「生命力のある食材からつくられる料理は、食べ手にも生命力を与えてくれると信じています」

「DAICHINO RESTAURANT」ではその名の通り、大地の食材=野菜に力を入れている。多彩な野菜料理を提供しているのはもちろん、魚料理の脇役として、あるいは肉料理の女房役として、あらゆる料理に野菜が活かされ、一つひとつの料理の完成度をより一層高めている。
30種類以上の色彩豊かな大地の恵みを、和出汁の旨味が凝縮されたジュレとともにいただく「ダイチノサラダ」
ふわりと軽やかなウナギに、九条ネギ、パクチーなどの香り菜や柿のマリネが添えられた「那須のウナギの蒸し煮」
坊ちゃんカボチャの器に銀杏やたっぷりのキノコを詰めた「武州鴨の山椒焼き」
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また、驚いたのはホテルオリジナルの食材があること。ホテルスタッフが農家の力を借りながら作っているという米「SORANO米」のほか、味噌や穀醤も手作りしているという。

「僕らが理屈やノウハウを分かっていなければ、お客様にもきちんと説明することはできないですし、想いも込められません。まずは、自分たちで農作物の育て方や土作りから勉強しようというところから始まりました」

誰がどのような想いで作った食材なのか……その裏にあるストーリーにまで想いを馳せて味わいたい。

1泊2日でも時間がとても長く感じられるのは、移動の少ないショートトリップならではと言えるだろう。ドライブ・食・温泉・自然といったリゾートに必要な要素を余すことなく詰め込むことができた「SORANO HOTEL」での滞在は、心と体を想像以上に癒やしてくれた。これから、まだまだ進化を遂げていくという立川。あなたも新たな旅先の一つに加えてみてはいかがだろうか。


SORANO HOTEL
https://soranohotel.com

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