2018年以降、少なくとも1つの企業が、「あなたのインターネット行動を監視し、集めたデータから利益を得ようとしている」と考えたほうが安全です。
もちろん、そのなかにはポルノサイトも含まれます。
最近、メディアサイト「Quartz」が、PornHubとその親会社であるデータ分析企業「MindGeek」について詳しくレポートしていました。
ポルノ動画視聴データの活用法
MindGeekのウェブサイトを見ても、アダルトエンターテイメントに関する表記はどこにも見当たりませんが（よくある企業テンプレートに見える）、同社は、大成功を収めているポルノ動画配信サイトと制作会社を数多く所有しています。
Quartzのレポートによると、MindGeek社の成功の秘密の1つは、ユーザーのポルノ動画視聴に関するデータを収集し、より魅力的なポルノを制作するために利用していることにあるそうです。
PornHubとその姉妹サイトはどのようなデータを収集しているのでしょうか？ 同サイトのプライバシーポリシーを読むと、PornHubは、すべてのユーザーのIPアドレスとCookie、位置情報、訪問日時、サイト閲覧に使用したハードウェアとソフトウェアを記録しているようです。
PornHubなどのポルノサイトは、こうして集めたデータと、自サイトでのユーザー行動（どの動画をクリックしたか、どの動画を視聴したか、どのぐらいの時間視聴したかなど）を結びつけています。もちろん、ユーザーが何を検索し、どんなものを探しているかも注意深く観察しています。
ユーザーがポルノサイトに与えている情報はこれだけではありません。
Netflixとの共通点
PornHubで無料のアカウントを作成するには、名前、生年月日、性別を入力する必要があります。アカウントをつくると、動画にコメントしたり（多くのユーザーがそうしている）、オフラインで見るために動画をダウンロードしたり、お気にいるの動画をリストにまとめたりすることができるようになります。
ソーシャルネットワークと同じように、ポルノサイトであなたが行ったすべての行動が、データとして記録されているわけです。
MindGeekは、動画の一部やメタデータなどを微妙に変えながら、どうすればユーザーをより惹き付けられるかを検証しています。これはABテストと呼ばれ、インターネットのあちこちで常に行われていることです。
Quartzのレポートによると、同社はこうしたテストの結果をもとに、ユーザーの細かい嗜好に合わせたスクリプトを作成しているとのことです。これは、Netflixがユーザーデータをもとに番組づくりをしているのとほとんど同じやり方です。
個人データは売られていない…ようだ
Google、Microsoft、Facebookといったデータ収集企業と比べれば、ユーザーのプライバシーを尊重しているほうだとMindGeekは主張しています。
また、ユーザーデータを使ってポルノを制作し、動画をユーザーとマッチングさせてはいるが、第三者企業にデータを売ったりはしていない、と同社はQuartzに語っています。
こうした状況を人々がどう受け止めるかは私にはわかりません。PornHubは、広範囲なユーザー行動に関する分析レポートを頻繁に公開しています。（2018年のレビューはこちら）
もちろん、ブラウザそのものも、ユーザーのオンライン行動を追跡していますので、あなたがどんな動画を見ているかを知っているのはMindGeekだけではないのは確かでしょう（シークレットウィンドウで見ているから安全だ？ はっきり言いましょう、それは間違いです）。
もっとプライバシーが保護されるべきだとは思いますが、あなたのポルノ視聴行動を追跡から守る特別な方策はありません。
DuckDuckGoなど、ユーザー行動を追跡しないソフトウェアを使うのもひとつですが、本当に身を守りたいならVPNを使う必要があります。
重要な事実は、PornHubなどの動画配信サイトに、自分が何を視聴しているかを把握させない手段は存在しないということです。せいぜいできるのは、自分が誰であるかを彼らに知られないようにすることぐらいです。
もしくは、紙の雑誌をめくる日々に戻ることです。それならきっと安全です。
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Image: aradaphotograpy/Shutterstock.com
Source: Quartz, MindGeek, Pornhub（1, 2, 3）
Mike Epstein - Lifehacker US［原文］
