GoogleはChromeブラウザに、コンテンツブロック系の拡張機能(広告ブロッカーを含む)にマイナスの影響がある変更を加えました。

Google Chromeに表示される広告は増える

技術的には少し複雑な話になりますが、Manager V3と呼ばれる、Chrome拡張機能の動作に関わるシステムが実装されたことが大きく影響しています。

この実装により、広告ブロッカーの多くが利用していたAPIが使えなくなってしまいました。たとえ複数の広告ブロッカーを併用したとしても、Chromeに表示される広告は減りません。

この変更の影響をまぬがれるのは、企業向けChromeブラウザのユーザーだけです。

すなわち、ごく一部のユーザーしか、Chromeで広告フリーのブラウジングを楽しめないということです。

でも、なぜ?

Chromeは2018年に独自の広告ブロック機能を搭載しましたが、あくまで、ガイドラインに違反する広告のみを制限するもので、それ以外の広告は野放しです。

結局、そのほかの広告をブロックするには、サードパーティアプリに頼らざるを得ません。

技術的には複雑でも、この変更の背後にある理由は単純です。

Googleの主な収入源が広告であるからです。自社製ブラウザで広告ブロッカーの効果を制限すれば、それだけ多くの広告から収益を得ることができます。

もっとも、Googleがそう言っているわけではありません。Googleはパフォーマンスに関する問題だと言っています。

いずれにせよ、Manifest V3の導入でChromeの広告ブロッカーは、はるかにその効果を減じることになったのです。

広告ブロックにおすすめのブラウザ

今こそ新しいブラウザを探すときです。以下におススメをいくつか紹介しておきます。

1. Brave

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Image: Lifehacker US

広告をブロックしたいならBraveが最も賢い選択です。

このブラウザは広告フリーのブラウジングを楽しめるよう設計されており、広告ブロッカーとアンチトラッキング機能がはじめから組み込まれています。

また、ほぼすべてのサイトに対して安全なHTTPSが使われます。最初から広告を読み込まないということは、ほかのブラウザに比べてそれだけページの表示が速くなるということでもあります。

おもしろいことに、Braveは最近、斬新な発想のオプトイン広告サービスを始めました。

従来のオンライン広告とはまったく異なるモデルで、広告を表示することを選択したユーザーに、お金が支払われる仕組みとなっています。

Braveは、この新しいシステムがオンライン広告の世界を革新することを望んでいますが、それでも、基本的には完全に広告フリーのブラウザです。

どうせ広告を見るなら、Chromeで強制的に広告を見せられるより、Braveの新しいモデルで自ら選んで見るほうがずっとましです。

2. Firefox

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Image: Lifehacker US

Firefoxは、Chromeの代替ブラウザを探す際には第一候補となるものです。もちろん理由はあります。Firefoxのデフォルトのプライバシー設定は、Chromeのデフォルト設定よりもはるかに優れています。

また、カスタマイズできる設定も豊富で、ブラウザ体験を細かく調整することができます。

Firefoxのモバイルアプリは、モバイルブラウザの中でも最高性能を誇ります。

自動再生される動画をブロックできたり、なにかと素晴らしいFirefoxですが、最近、拡張機能が動作しなくなるという問題が発生していることには注意が必要です。

とはいえ、Firefoxは、Chromeの代替としてがもちろん、誰にでも勧められるブラウザであることにはかわりません。

3. Opera

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Image: Lifehacker US

OperaはFirefoxやBrave、Chromeほどの人気はないかもしれませんが、広告をブロックしたい人には優れた選択肢となります。

Braveと同じく、Operaはデフォルトで広告ブロック機能が搭載されていますが、独自技術ではなく、『Ad Blocker』を統合して利用しています。ですので、Braveほどのスピードは期待できませんが、動作はスムーズです。

Operaは、デスクトップ版、モバイル版の両方で、無料の組み込みVPNが利用できる、数少ないブラウザの1つです。ただし、VPNを使うとページの読み込みが遅くなる可能性があるほか、利用時にいくつかの設定が必要です。

4. ChromiumとEdge

Microsoftが提供する、Chromiumベースの新しいEdgeも代替ブラウザの1つです。広告をブロックする拡張機能がありますが、Chromeの技術インフラにかなり依存します。

GoogleとMicrosoftの影響から逃れてChromiumを使いたい場合は、オープンソースのChromiumブラウザを選ぶこともできます。

広告ブロッカーを含めてChrome拡張機能の多くは、Edge Chromium、オープンソースChromiumで問題なく利用できます。

5. Torブラウザ

Torは、プライバシーを重視したブラウザとして定評がありますが、デフォルトでは広告ブロック機能はありません。もっとも、広告は表示されますが、広告がユーザーを追跡することはできないようになっています。

また、ユーザーを完全に匿名化してくれるので、オンライントラッカー、広告、ISPから見て、あなたとほかのTorユーザーとを区別することはできません。

ブラウザ拡張機能を使うと(広告ブロッカーも含めて)、ほかのTorユーザーとの違いが生まれ、追跡されやすくなります。

つまり、Torで広告をブロックすることは可能だが、Torの良さを消してしまうことになるので要注意ということです。

全部のブラウザを試してみよう

上で紹介したブラウザをすべて試して、自分に合うものを探してください。

ブラウザによって得意、不得意があるので、2つか3つのブラウザをインストールして、目的に応じて使い分けることをおすすめします。

どのブラウザを選ぶにせよ、オンライン広告を減らしたいなら、Chromeを使わないほうがいいことには変わりはありません。

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Image: BigTunaOnline/Shutterstock.com

Source: Brave, Firefox, Opera, Chromium

Brendan Hesse - Lifehacker US[原文