先日、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は深刻な呼吸器症状があり、電子タバコの喫煙歴がある患者がおよそ150人見つかったと発表しました。

電子タバコが原因で病気になったのかどうかはまだわかっておらず、調査は現在も引き続き行われています。

この記事では、この件について知っておくべきことをご紹介します。

注意点:ここでいう電子タバコは、ニコチンが含まれるアメリカ国内のものです。日本で販売されている電子タバコ<加熱式たばこを除く>にはニコチンは含まれていません。

何が起きている?

この2カ月間でCDCは、深刻な肺疾患の「疑い」を153件確認しました。詳細が気になるところですが、どうもこの肺疾患は感染性のものではないようです(つまり、ウイルスやバクテリアによるものではありません)。

また、患者は全員、具合が悪くなる前に電子タバコを吸っていたと報告していました。

ニコチンやTHC(テトラヒドロカンナビノール:大麻に含まれる有害成分)を含む電子タバコに嫌疑がかかっていますが、槍玉にあげられている特定の製品やデバイスは今のところありません。

このような事例は初めてですし、原因もまだ特定されていません。ですから、これらの症例は新しい病気などではまったくない可能性もあります。

もしかしたら、複数の異なった病気がひとくくりにされてしまったケースもあるかもしれません。

また、電子タバコは広く普及しているので、この症状との関連性はただの偶然という可能性もあります。

CDCとアメリカ食品医薬品局(FDA)、各州の保健当局は現在、この謎の解明に乗り出しています。

疑わしい症状は?

その症状は、数日~数週間にわたって「ゆっくりとあらわれ始め」、多くの場合、咳や胸の痛み、息切れなどを伴いました。

中には、嘔吐や下痢、疲労感に襲われる患者もいました。

こちらが医療の専門家に向けて出された通告(英文)です。

医師は何に注意して診察すべきなのか、過去の症例にはどのようなものがあるのかなどに関して、詳しい情報が示されています。

この通告によれば、中には、人工呼吸器が必要なほどひどい呼吸困難を起こした患者もいましたが、コルチコステロイド(副腎皮質ホルモンのひとつ)を投与したところ、症状は改善したそうです。

今のところまだ、この病気による死者は出ていません。

自分もそうかも…そんな時は、どうすれば?

ひどく息苦しい時は、それがどんな場合であれ、とにかく医療機関で診察を受けるべきです。これが最初のステップです。

医療機関では、自分が電子タバコを吸っていること、大麻やTHCを含む製品を使用していることを必ず伝えましょう。

医療機関はあなたを厄介な状況に追い込もうとしているのではありません。何が起きているのか、ベストな治療法は何なのかを知りたいだけです。

CDCは各医療機関に対して、「原因不明の重い呼吸器疾患を抱えた、電子タバコの喫煙歴がある」人がいたら、地元や州の保健当局に知らせるように呼びかけています。

また、FDA(食品医薬品局)に対して、これまで使用していた製品に関するセーフティレポートを、あなた自身、もしくは受診した医療機関が提出したほうがいいかもしれません(これは、タバコ製品と関係がある可能性のある健康問題や健康障害についても言えます)。

とはいえ、人が呼吸器症状を示す理由はほかにもいろいろあります。今のところ、電子タバコに関連したこの病気は、ひと握りの人々にしか見つかっていません(もしこれが特定の病気であり、ただの偶然ではないなら、ですが)。

ですから、数字だけで見ると、CDCが今調査している症状の特定の組み合わせよりも、一般的な呼吸器疾患(ぜんそくなど)である可能性のほうが高いと言えるでしょう。

いずれにせよ、医療機関に足を運んで、あなたの不安を打ち明けるのが最善の選択です。

※非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解はこちらをご確認ください。

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Image: Zachary Tan/Unsplash

Source: CDC, FDA

Beth Skwarecki - Lifehacker US[原文