「この仕事終わらせなきゃ…」「勉強しなきゃ…」なんて頭では分かっているのに、気づけば手元でスマホをスクロール。
ちょっとメールを見るだけ、メッセージアプリで受信がないか確認するたけ、のはずがそのままダラダラと30分経過…。
こんな経験お持ちの方、多いのでは?私は数えきれないくらい経験があります。
スマホを気にするだけで脳は消耗する
集中したいときの脱スマホについて、面白い実験結果がありました。
UT NEWSに掲載されていた、テキサス大学オースチン校 マッコム・ビジネススクール大学がスマホユーザー800名を対象に行なった実験で、ほんのわずかでもスマホの存在を気にしているだけで、脳はエネルギーを消耗してしまっている、ことが明らかになりました。
さらに、集中したいときにはスマホは机の上やカバンの中ではなく、別室に置いておくとパフォーマンスが上がる、とのこと。
これは気になる…!
スマホの置き方や場所を変えて実験
研究チームは、被験者にパソコンに座ってもらい、集中しなければ良いスコアを出せないような難易度のテストを受けてもらいました。
そのテストは被験者の認知能力のキャパシティ、つまり普段私たちがデータを記憶したり処理したりする脳の力、ついて調べるためのもの、でした。
試験を始める前、被験者はスマホをサイレントモードにしたうえで、机の上に伏せて置いておくか、ポケットかカバンの中にしまうか、別室に置いておくか、いずれか状態にしておくようにとの指示が出されていました。
すると結果、スマホを別室に置いていた被験者は、机の上にスマホを伏せた被験者よりも格段に高いスコアを獲得し、ポケットやカバンにしまっておいた被験者よりわずかに高い成績を得ていたのです。
この結果から、人は集中して作業をしている、と思い込んでいるときでも、スマホの存在を気にしてしまうだけで認知機能のキャパシティに影響を及ぼしたり、機能そのものを低下させている、ということが明らかになりました。
“無意識的”に“意識”する環境をつくらない
研究メンバーの一員であるワード氏は以下のように述べています。
実は脳はスマホのことを考えて気をとられているわけではありません。スマホのことを考えないようにしなきゃ、というその思考プロセスこそが認知機能能力の消耗に繋がっているのです。
UT NEWSより引用翻訳
つまり、目につく場所、すぐに触れられる場所にあるだけで、私たちは無意識ながらにそこに意識を向けてしまっているのです。
頭の中からスマホの存在を完全にオフにする、これが非常に重要なポイントだと言えそうです。
私自身、以前スマホが原因で集中力が続かくなってしまったとき、試しにスマホを原則自分のいる部屋以外で使用する、というルールを決めて実践したことがありました。
以前すぐにお菓子食べてしまう癖を直したくて、お菓子をキッチンの戸棚にしまい、目につかなくすることでお菓子離れができた経験からヒントを得たのですが、私はこの方法でスマホ利用時間が格段に減り、仕事や読書に集中できるようになったのです。
スマホ時間を減らすために実践していること
別室にスマホ、は何気なくスマホを手にとる癖を直すのには有効な方法でしたが、もう一つの課題は、一度触ってしまったスマホをダラダラと眺める時間を失くすこと。
ここでは私がダラダラスマホを無くすために実行していることをいくつかご紹介します。
LINEの友達一覧は連絡頻度の高い家族のみで他は全て非表示
連絡が必要になったときに必要な人のみ非表示を解除します。
メッセージ履歴も会話が終わったものから非表示にしてしまうと、いつまでもLINEの画面をダラダラ見続けることが防げます。
調べ物はまとめて一気に
急ぎでないものは紙に一旦メモをしておき、次にスマホを触るときにまとめて検索しています。
いまさら紙にメモ?と思うかもしれませんが、検索するたびに「あれもついでに…」「あ、この記事面白そう…」なんて毎回ダラダラスマホを使い続けることを考えれば、効率よく時間を節約できると言えます。
タブを複数開きっぱなしにせず、閲覧履歴は極力こまめに削除
こうすることでダラダラと画面をタップして時間を使わないようにしています。
定期的にSNSでフォローしているアカウントや友人を見直す
自分から連絡をとることがないと判断した場合はフォローを外すなどし、受動的に情報を受け取らない工夫をします。
ダウンロードしたアプリの整理、削除
SNSは基本アプリをダウンロードしていません。
また、毎回ログイン、ログアウトすることでSNSを閲覧するときにあえて手間になるステップを踏むようにして“ついで見”を防ぎます。
また、つい見てしまうアプリはあえてホーム画面のトップから外し、フォルダの中、さらにフォルダ内でもスワイプしないと見られない位置に移動させます。
グッズを活用したスマホ対策
とはいえど、いろいろな方法を試したけどやっぱり上手くいかない…!という方、こんなアイテムに頼ってみるのも一つの方法ですよ。
このロッキングコンテナ、仕組みはいたってシンプルで、箱のなかに禁欲したいもの(お菓子やスマホ、ゲーム機など)を入れて鍵をかけ、タイマーを設定すると、時間がくるまで取り出せない、というものです。
非常に単純なのですが、ここまでの強制力があればさすがに効き目は抜群でしょう。
この箱はもちろん、時間がくるまで別室に置いておくようにしておきましょう。
スマホは今や文字通り私たちの生活の全てを担う存在になりました。しかし、そのスマホに私たちがコントロールされてしまっては本末転倒。自身のパフォーマンスに支障をきたさないよう、自分なりのルールを確立して、スマホと上手に付き合っていきましょう。
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Image: Shutterstock.com
Source: UT NEWS, ギズモード・ジャパン