米Lifehackerでは、子どもの成長の過程で話しておきたい話題を紹介する「Big Talks」というコーナーを設けています。

世界的な健康危機、根深い人種差別、LGBTQの権利、ヘイトスピーチ、白人至上主義、性的同意など、今の世の中には、つらくても親として子どもに話しておかねばならない話題があふれています。

子どもたちの世代には自分たちよりもうまくやってほしいと願うのは、親として当然のことでしょう。

そのような会話が重要なのはもちろんですが、我が子に大きな影響を与えるもう1つの要素が、声には出さない親自身の行動です。

親の行動から子どもは学ぶ

共感ややさしさ、公平性について口で言うのは簡単ですが、私たち自身がこの世界でどうふるまうかが、それ自身大きなメッセージとなるのです

そう、子どもたちは親の言葉だけでなく、行動から多くを学ぶのです。

共感力・思いやりのある子どもに育つ声かけアイデア

共感力・思いやりのある子どもに育つ声かけアイデア

手を添えずにバタンとドアを閉めるとき、レストランで店員にきつく当たるとき、買い物を終えてショッピングカートを元の位置に戻さないとき、子どもは敏感にメッセージを察知しています。

それは、「ほかの誰でもなく、自分の時間、自分の体験、自分の利便性が大事」というメッセージです。

今、何ができるか?行動で示そう

先日、友人の友人が、SNSに自信の体験談を投稿していました。

アイスクリーム屋さんで並んでいたときのストーリーです。皆がマスクを着けて、ソーシャルディスタンスをとって並んでいる中、彼女のすぐ後ろに並んでいた2人組の女性だけは例外でした。

待ち時間は予想以上に長く、彼女は後ろの2人がマスクもせずに至近距離にいることが気になり始めました。そのとき、ようやく2人組の片方が、列には並んでいなかったある女性にこう叫びました。

「ママ、マスクある?」

すると、母親とおぼしきその女性がやってきて、こう言ったそうです。

「持ってるけど、マスクなんてする必要ないよ。だって、さっき前にいた人たちはマスクしてなかったから」

小さい子ども、大きい子ども、ティーンエイジャー、成人になった子ども。皆が私たちのことを見ています。このパンデミックのさなかで、どう生きればいいのか。

この分断された国において、生きるとは何なのか。彼らは私たちに指針を求めているのです。

それらの話題について話し合うのはもちろんのこと、彼らは周囲の誰よりも、親であるあなたの行為を見ています。

NO LOSSES NEW YORK. のプロデューサーycさんはTwitterでこう、つぶやいています。

いま非常に衝撃を受けているのが、「他人への配慮」を政治的問題にしてしまったがために、多くの人が新型コロナウイルス、医療崩壊、暴力、差別などで亡くなっていることだ。

ここで言いたいのは、誰もがマスクなどの予防措置を取るべきということではありません。

上でも書いたように、あなたが新型コロナウイルスは誰かの陰謀だと言うのであれば、私はあなたやあなたの子どもを助けることはできません。

スーパーでマスクを義務付けるのは権利の侵害だと主張するのなら、あなたは露骨に他人の権利を踏みにじっているのであり、私にはどうすることもできません。

きっと、多くの人がわかっているはず。社会で生きるには、やりたいことをいつでもどこでもできるわけではないってことを。

米国では、たとえどんなに左側を走りたいと思っても、道路の右側を運転しなければ事故を避けられません。全員がルールを守ることで、道路の安全が保たれているのです。

子どもはいつだって親を見ている

子どもは、親のやることを最前列で見ています。

今こそ、共感とは何か、他者を気遣うとはどういうことか、コミュニティの皆を守るにはどうすればいいかなど、模範を示すチャンスではないでしょうか。

ですから、人種差別主義者やアンチLGBTQによる差別発言を耳にしたら、声を上げましょう。どんなにマスクが嫌でも、きちんとマスクを着けて、ソーシャルディスタンスを保ちましょう。

今は、いろいろなことがつらく感じるかもしれません。いえ、感じるのではなく、実際何もかもがつらいのです。

そんな時期だからこそ、私たちが長年培ってきた知識を実践するチャンスととらえましょう。子どもは、あなたのすぐ近くで見ています。彼らの目には、いま何が映っていますか?

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Illustration: Jim Cooke

Source: yc/Twitter

Meghan Moravcik Walbert - Lifehacker US[原文