2008年にGoogle Chromeがリリースされてから、Chromeはすぐに業界標準となりました。

2015年にMicrosoft EdgeがWindows 10とともにリリースされた時、Microsoftはユーザーが最終的に自社のブラウザに目を向けてくれることを望んでいました。

しかし、Googleにとって幸運だったのは、Windows 10のベストWebブラウザとしての地位を、Microsoft EdgeはChromeから奪うことができなかったことです。

数年前は、Edge対Chromeの論争など考えられないことでした。

しかし、今やMicrosoftはChromiumエンジンをEdgeに採用し、Windows 10のベストWebブラウザの戦いは、かつてないほどに広がっています。

今回の比較レビューは、 Google Chrome 89とMicrosoft Edge 89を元にしたものです。

デザインとエンジン

EdgeとChromeは、デザイン面ではどちらもかなり似ています。

現在のEdgeは、見た目はとてもスッキリとして、光沢のある丸いボタンを使っています。検索/URLバーはGoogle Chromeとほぼ同じで、ブックマークバーと拡張機能と設定のレイアウトも同じです。

慣れ親しんだデザインのEdgeに魅力を感じるユーザーは多いでしょうし、Microsoftもそれに期待しています。

Google Chromeは最近、タブがグループ化できる新しい機能を統合しました。タブをグループ化することで、作業スペースを空け、生産性を向上することができます。

しかし、気をつけて欲しいのは、これにはメモリの使用量が増えるという代償もあります。

ダークモードの設定

Microsoftは、Edgeにダークモードを搭載したという点で勝っているかもしれません。Google Chromeでは、ダークモードを有効にするにはWindowsの個人設定をいじらなければなりません。

しかし、Google Chromeではカスタマイズしたテーマを使うことができます。Chromeウェブストアにある様々なテーマのコレクションから、使いたいものを選びましょう。

新しく改善されたMicrosoft Edgeは、Google Chrome同様、オープンソースのブラウザChromiumをベースに作られています。

Chromiumは、Web閲覧を高速かつ軽量にする、最小限のユーザーインターフェイスで知られています。

パフォーマンスではMicrosoft Edgeが優勢

両方のブラウザのパフォーマンスを正確に比べるために、業界最高のベンチマークツールをいくつか使って、EdgeとChromeをテストすることにしました。

より信憑性のある公平な比較にするために、3種類のテストを実施。

まず、HTML互換性テストを行いました。

このテストは、WebブラウザがどれだけHTML5規格に対応しているかを示すものです。

ChromeとEdgeは基本的に同じエンジンで動いているので、HTML5テストの点数が577の同点だったのは当然でしょう。

次のテストをする前に、Webブラウザを初期設定にするためにリセットし、すべての拡張機能やアドオンは無効にしました。

WebXPRT 3

WebXPRT 3というベンチマークツールは業界標準のベンチマークで、日常的な使用を再現した様々な状況で、Webブラウザのパフォーマンスを測定します。

厳正なテストの後、Google Chromeの点数は100点中81点とまずまずで、一方のMicrosoft Edgeは100点中90点という素晴らしい点数でした。

Speedometer2.0

同じく、Speedometer2.0テストでも、Chromeの点数37.1に対して、Edgeの点数は桁外れの48.5と勝っていました。

このような結果、Windows 10でのパフォーマンスという点においては、Microsoft Edgeがはるかに優れていることが証明されました。

RAM使用量ではMicrosoft Edgeが優勢

Google Chromeが大量のRAM(ランダムアクセスメモリ)を使用するのは周知の事実です。皮肉なことに、かつてChromeは、システムリソースを少ししか使わないことで定評がありました。

それに比べてMicrosoft Edgeは、少しのRAMしか使わないので、メモリの限られたシステムには理想的です。

タスクマネージャー

タスクバーで右クリックして、タスクマネージャーを開くと、各プログラムのメモリ使用量を見ることができます。

その結果、タブ10枚のGoogle Chromeは、約1100MBのRAMを使っており、一方タブ10枚のMicrosoft Edgeは、たった800MBしか使っていないことがわかりました。

限られたリソースのパソコンでは、Microsoft Edgeを使った方がパフォーマンスが大幅に向上するでしょう。

メモリの使用量という点では、Microsoft EdgeはGoogle Chromeよりもはるかに軽く、今回はEdgeが上です。

プライバシーとセキュリティはMicrosoft Edge

現在のデジタル社会では、データのプライバシーは極めて重要な役割を担っています。

FacebookやGoogleのような組織は、ユ−ザーのデータの必要性とユーザーのプライバシーのバランスを取るのに常に苦労しています。

2020年、Chrome 83はユーザーのセキュリティとプライバシーの新機能を搭載してリリースされました。

セキュリティ機能の追加やプライバシーのオプションメニューの向上にも関わらず、一般のユーザーにとってデータのプライバシーは不可解なままでした。

デザインの悪いユーザーインターフェイスによって、プライバシーとセキュリティの設定が非常に複雑になっているのです。

今回のアップデートで欠かせない、もうひとつのセキュリティ機能は「セーフブラウジング」です。

この機能は、ユーザーの要求を元にサイバー保護のレベルを変えます。

Googleは、より高速で積極的な保護のために、「保護強化機能」を推奨しています。

当然ながら、この機能は広範囲な保護と引き換えに、Googleへの閲覧データの送信に同意を求めます。

追跡防止の設定

一方Microsoft Edgeは、ユーザーがプライバシーとセキュリティをより簡単に扱えるよう、積極的な対策に着手。

インストール中に、ユーザーにわかりやすいプライバシーオプションの設定を提供しています。

Edgeには、追跡防止の設定に「基本」、「バランス」、「厳重」があり、各設定による影響もしっかりと説明があります。

EdgeとChromeのプライバシーとセキュリティの機能を比較すると、Microsoft Edgeの方がはるかに優れていることに驚きます。

Microsoftは、プライバシーとセキュリティが包括的でユーザーがアクセスしやすいように力を入れており、それが功を奏しています。

どちらのブラウザも、同じようなセキュリティの設定をすることができますが、Edgeの方がはるかに簡単です。

互換性はGoogle Chrome

Google Chromeは登場してから10年以上経っているので、Chromeがかなり広範囲にわたるプラットフォームに対応しているのは当然です。

Chromeは、ほぼすべてのAndroidデバイスとChromebookの、デフォルトのWebブラウザと検索エンジンです。

WindowsとmacOSはさておき、ChromeはiOSに互換性があるだけでなく、LinuxのDebian、Fedora、Ubuntuにも対応しています。

一方Microsoft Edgeは、Windows 7以上、Android、iOS、macOSに互換性があります。

また、今ではLinuxにも互換性がありますが、MicrosoftがChrome OSに対応することはなさそうです。

Windows 10のブラウザならMicrosoft Edgeが優れている

Google ChromeとMicrosoft Edgeを総合的に比較した結果、2021年のWindows 10のベストWebブラウザは、大差をつけてMicrosoft Edgeだと断言できます。

Edgeは、パフォーマンス、プライバシーとセキュリティの扱いやすさ、システムのメモリ使用量の点で、Chromeに勝っています。

ただ、両方のブラウザが対応している互換性についてはChromeの方が上ですが、近い将来Microsoft Edgeが抜くかもしれません。

2021年は、最終的にMicrosoft EdgeがGoogle Chromeを超えたと気づく年になるかもしれません。

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Source: Browserbench, Html5, Principled Technology

Original Article: Microsoft Edge vs. Google Chrome: Which Is the Best Browser in 2021? by MakeUseOf