人は誰でも、多かれ少なかれなんらかの不安を抱えているものです。だからこそ悩んでしまうわけですが、問題は、その背景に「こうしなきゃいけない」というような“執着”があること――。
臨床心理士・公認心理師である『心理カウンセラーYouTuberが教える 1秒で不安なくなる大百科 あらゆる「悩み・ストレス・疲れ」を吹き飛ばすリスト100』(るろうに 著、SBクリエイティブ)の著者は、そう主張しています。
これまでに精神科のストレスケア病棟や地域の保健センターに勤務し、のべ3000人以上の相談者に向き合ってきたという実績の持ち主。2019年10月からはYouTubeチャンネル「心理カウンセラー るろうに」を通じ、ためになるメンタル系の情報を発信してもいるそうです。
しかし“執着”の存在が問題であるなら、抱える不安を払拭できない人はどうしたらいいのでしょうか?
それは、“執着”を手放すメリットまで含めて理解することです。
「人の期待に応えなくたっていい」という心構えだけでなく、「人の期待に応えないことによるメリット」まで含めて理解することです。
そうすれば、あなたは本当の意味で“執着”を手放し、心の平穏を手に入れることができます。(「はじめに」より)
心理学的にみても、人は他人の頼みごとを無理して引き受けすぎてしまうと、なめられてしまうという傾向があるのだとか。頼みごとは適度に断るほうが、むしろまわりから大切に扱われるようになるというのです。
つまり、“執着”を手放すことのメリットまで理解できれば気持ちも楽になるということ。そんな考え方に基づく本書のなかから、仕事に関連した“よくある質問”を集めたChapter3に焦点を当ててみたいと思います。
「なんでもひとりでやらなきゃ」と思わなくたっていい
「人に迷惑をかけないよう、なんでもひとりでできるようにならなければいけない」と教えられてきたからなのか、仕事で困っていてもまわりに頼れないという人は少なくありません。
しかし現実問題として、どんなにできる人であっても、同僚に助けてもらったりしながら仕事を進めているもの。
ましてや仕事を手伝ってもらったからといって、すぐに同僚から嫌われるなどということもありません。だから、あまり気にしなくていいわけです。
そもそも人は頼み事をされるのが嫌いではないものなので、困ったことがあったらひとりで悩み続けず、適度に人の手を借りるべき。そうしたほうが、仕事はスムーズに進み、人間関係もよくなるとか。
こうした考え方の根拠として、著者は「フランクリン効果」を挙げています。人は頼まれごとをされると、依頼主への好感度が上がるという効果のこと。
自分が相手に親切な行動をとると、自分の脳が「この人に親切にしているというのは、自分が相手のことを好きだからだ」と認識するんです。
なので、相手の負担になりすぎない小さい頼み事をしていくと、良い関係を作りやすくなるのでお勧めです。(97ページより)
頼みごとといって、仕事に関するものならなんでもいいそう。たとえば、ホチキスやペンなどを貸してほしいというような小さなことでもOK。そうやって助けてもらい、結果的に相手との関係性もよくなるのであれば、頼らない手はないかもしれません。(96ページより)
「限界までがんばろう」としなくたっていい
真面目な人であるほど、体調が悪かったとしてもついつい無理をしてしまいがち。
「体調不良で休むなんて社会人失格」だというような思いが根底にあるのかもしれませんが、社会人として長く活躍したいなら、無理せず休んだほうがいいと著者は主張しています。
どんなに頑張ってお金を稼いだとしても、体を壊してしまっては幸せになることが難しくなります。ハバフォード大学の研究では、健康レベルが「普通」から「少し良い」に変わった時の幸福度の上昇率は、収入アップから得られる上昇率よりも6531%も高かったと言われています。(98ページより)
もしかしたら、「休んでしまうと収入が減るから休めない」と、不安に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、幸せになるためには、健康とお金のどちらを優先すべきなのかという問いに対する答えが、この研究結果には表れているわけです。
無理をして体を壊せば病院に通わなければならず、医療費がかかってしまいます。その結果、自由な時間も削られてしまうでしょう。
そもそも仕事で体を壊してしまうのは、「自分が限界を超えているかどうかわからないまま、無理をしてしまったから」だとも考えることができるはず。
そこで著者は、“もう限界を超えていて休んだほうがいいサイン”として、以下の5つを紹介しています。
① 理由が分からないのに、なぜか涙が出てくる
② 夜に眠れない、または朝早く起きてしまう
③ まぶたが勝手にピクピク動く
④ やらなきゃいけないことなのにやる気が出ない
⑤ ドカ食いする、または食欲がない
(99ページより)
こうしたことがあったら、無理せずに仕事を休み、病院に行くべき。自分の健康は、なによりも優先すべきだということです。(98ページより)
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扱われているのは100項目の悩み。とはいえすべてを読まなくても、自分に合う項目だけを読めば不安は消え去るはずだと著者は記しています。なかなか消えない不安を解消するために、手にとってみてはいかがでしょうか?
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Source: SBクリエイティブ