年末年始のホリデーシーズンを、プレゼント、新しい洋服、普段より高級な食事などにたっぷり散財しながら過ごしてきたら、いつものお金の使い方に戻るのは大変かもしれません。その理由をご説明しましょう。
散財が習慣化してしまう?
「習慣が人をつくる」という名言があります(アリストテレスの言葉だと誤解されることが多いようですが、実はウィル・デュラントという哲学者の言葉です)。
そして、ホリデーシーズンの間は、お金をたくさん使う機会が何度もあります。つまり、繰り返し散財することで、散財が習慣化してしまうわけです。
ということは、2022年の予算を設定するといった基本的な財務プランを立てるぐらいでは、お金を使いすぎる習慣を克服するには不十分かもしれません。
自分と愛する人たちの両方を労うために、欲しいものを(しばしば衝動的に)買うというホリデーシーズンの習慣が身についてしまったら、それを脱却するのは大変です。では、どうしたらいいのでしょうか?
身につけたい習慣をイメージする
まず、「こうなりたい」というモデルを設定しましょう。「買い物を減らしたい」とか「出費を減らしたい」というだけでは不十分です。
買い物もせずお金も使わずに暮らすのは難しいので、「こんな買い物の仕方をする人間になりたい」というイメージを心の中で思い描く必要があります。
補充すべきものや交換すべきもののリストを事前に作成しておき、セールや割引のときに逃さず購入するタイプの人間になりますか?
パントリーやクローゼットにあるものにちょっと飽きていても、買ったものはすべて使い切ることにしますか?
それとも、シンプルに、衝動買いを避けること、予算に合わないものは買わないようにすること、支出にも同じような線引きをすることを目指しますか?
2022年は、どのような買い物習慣にしたいか考えてみましょう。そうすれば、自分が設定した目標や基準に応じた暮らし方がわかります。
新しい習慣を実践できる行動体系をつくる
身につけたい買い物習慣のイメージが明確になったら、次は、どのように行動すれば、その習慣が身につくか考えましょう。
BJ Fogg氏が上梓した『Tiny Habits』という本で紹介している「蜂の群れ」作戦は、日々の生活をどのように調整していけば、古い習慣を打破して、新しい習慣を定着させられるかわかるのでおすすめです。
たとえば、今年は外食に使うお金を減らしたいと思うなら、食事の計画や食料品の買い出しにかける時間をもう少し増やす必要があるかもしれません。
衝動買いを避けたいなら、お気に入りのショップには近づかないようにすべきかもしれません。これは私にも当てはまることです。
散財を誘発しそうなオンラインショッピングを遠ざける
ホリデーシーズンにかけて、かなり買い物をしてした人は、きっとさまざまなショップにあらゆる種類の個人情報(何に興味があるか、価格がいくらまでなら購入するか、メールアドレスなど)を提供してしまったはずです。
それが、今となっては、きわめて効果的なターゲットマーケティングのかたちで返ってきているのではないでしょうか。
いっそ、あらゆるショップからのメールの配信を停止して、設定していた価格追跡アラートも削除しましょう(購入する必要があり予算に収まるものは例外です)。
それから、お気に入りのオンラインショッピングのサイトを見ることに時間を使わないようにしてください。
なぜなら、オンラインショップはサイトを見た人に、「期間限定の特典です」「お見逃しなく」といったプロモーションを送ってきたり、不安を誘発するような事例を見せて、なんとか買い物をするようにしかけてくるからです。
インターネットの目的はネットでの商取引を可能にすることに尽きるので(米Lifehackerとその読者の皆さんは、さまざまなアイデアをグローバルに交換することがインターネットの存在価値だと考えていましたが)、散財を誘発しそうなサイトを見て時間を費やさないようにしましょう。
今年は一般的にオンラインに使う時間を減らすという目標を立てているなら、完全な「デジタルデトックス」を目指していようと、単に仕事のあとでオフラインになる時間をつくることを心がけていようと、その目標も達成できるので、一石二鳥です。
継続することで習慣づける
ここでご紹介したことをすべて実行しても、相変わらず「新年になったから新しい自分になりたい」という理由でついつい衝動買いをしてしまうかもしれませんね。
でも、大丈夫。習慣を克服するには時間がかかって当然です。ですから、目指したいお金の使い方を実践し続けてください。
いずれは、それが新しい習慣として定着して、ホリデーシーズンの散財習慣から脱却できます。
そうなったら、次のホリデーシーズンが巡ってきたときにはどのような支出習慣を採用するか考えてみましょう。
>>マネー特集ではお金の上手な使い方や管理方法を紹介しています。
ーー2020年1月25日の記事を編集のうえ、再掲しています。