起業は、心の健康に大きな負担がかかることでよく知られていますが、事業を軌道に乗せることよりもさらに過酷なことが何かご存知でしょうか。
それは、戦争をすること。
そのため創業者たちは、ストレスや逆境に対処するためのアドバイスを求めている際に、軍隊関係者に相談することが多いのです。
戦場で最悪の事態を乗り切るには?
私はこれまで、米国海軍特殊部隊などの人たちから、回復力や忍耐、戦略の秘訣をたくさん集めてきました。しかし、この種の知恵が好きな人には、新しい情報源は見逃せないものでしょう。
Nate Zinsserは、ウェストポイントにある米国陸軍士官学校でパフォーマンス心理学部門 の責任者を務めています。
基本的には、戦場で自分に降りかかり得る最悪の事態を乗り切る方法を士官候補生に教えることが仕事です。
この度、新しい著書『The Confident Mind: A Battle-Tested Guide to Unshakable Performance』の中でその秘密を明かしています。
ブルームバーグで先日、その内容がどんなアドバイスなのか、こっそりと紹介されました(要サブスク登録)。
この本を手に取るかどうかを決めたい方のために、その記事(および同書)の中で取り上げられているテクニックをいくつか簡単にご紹介します。
1.合図でリラックスできるように訓練する
脳内で起こるおしゃべりを自由に止めて、実際にリラックスできるというのは、単純に持っている人と持っていない人がいる不思議な能力のように感じるかもしれません。
しかし、これは学ぶことのできるスキルなのです。
軍隊では、合図で眠りにつく方法が兵士に長らく教えられてきましたし、心理学では、騒がしい脳を落ち着かせ、ストレスの多い状況でもリラックスするためのヒントが複数あります。
Zinsserは、こういったシンプルで強力なテクニックを独学で身につけ、使える時間がどんなに短くてもそのテクニックを使うことに慣れる、ということを提案していますよ。
2分間でも深呼吸をして、リラックスするのが役立つ可能性があります。
「血圧、心拍数、酸素摂取量、血液中の乳酸蓄積量などの生理的変化を伴うことで、基本的に脳を休ませることになります」とZinsserはブルームバーグに説明していますね。
2.ネガティブなことでエネルギーを無駄にしない
依存症の人は、回復の過程で、「変えられないものを受け入れる冷静さと、変えられるものを変える勇気と、その違いを知る知恵を与えたまえ」という「平静の祈り」 を教わりますが、ウェストポイントの士官候補生も訓練で同じようなことを教わるようです。
Zinsserが強調するのは、怒りや恐怖などのネガティブな感情はエネルギーを消耗するということ。精神力を蓄えておくのに役立つよう、士官候補生には、ネガティブな感情が何の役にも立たないことを認識し、不平や不満を口にするのを何としても避けるようにと教えています。
3.燃料タンクを満タンにする
どんなに逞しい戦士でも、精神力を(あるいは体力も)何もないところから奮い立たせることはできません。
Zinsserはむしろ、「タンクを満タンにする」ために何をすべきかに気を配り、それを優先的に実行するよう教えています。
睡眠時間や厳しい課題への準備時間を余分に取るなど、「最適ではない環境の中で、自分に成功とエネルギーをもたらすのに必要なことをするように」とZinsserは指導していますよ。
そこで強調しているのは、そのためには不可欠な準備の邪魔になるような他のこと(楽しい夜遊びや別の仕事など)を断ることになる、ということです。
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