多くのボールペンは、書きながら無意識に、細かく握り直している可能性があります。

特に低価格帯の製品では、本体とペン先の間に隙間ができてしまい、書いていると軸がブレて、思うような線が完全に引けないことがあります。その微細なブレや振動を吸収するために手を動かしたり、握り直したりしている可能性があるわけです。

そのようにしてペンを握り直し、力を細かく入れて書き続けていると、やがて疲労を感じはじめることでしょう。

できればもっと楽に、快適に書き続けたい。そんなときにおすすめなのが、今回ご紹介するゼブラのブレンです。

ブレンが「ブレない」秘密は?

ブレンは、その名の通り、本体の構造によってペン先の“ブレ”が最小になるようにつくられています。

ペン先をしっかりホールド、ブレを防ぐ
ペン先をしっかりホールド、ブレを防ぐ

まず、先端部の口金部分。この部分の本体とペン先の隙間が最小になるようにできています。

キャップ式のボールペンでは、可動する必要がないので完全に固定されているのですが、ノック式では、ペン先が可動するため隙間ができ、ブレの原因になるわけです。

ブレンは、ノック式のため可動のメカニズムを使っているにも関わらず、この部分の隙間を最小にすることでブレを防いでいるのです。

グリップの内部におもりが入っている
グリップの内部におもりが入っている

またグリップ内部には、低重心化を実現するおもりが入っています。これがあることで、筆記時にペンが自然と安定し、さらにブレが抑制されます。

インクは、油性の属性を持ちながらも、ゲルインクなどに近い低い粘度のエマルジョンインク。水性のようにさらさらでありながらも油性のようにしっかりとした書き心地です。

このエマルジョンインクが、ブレのないペンと相まって、快適な筆記を実現しています。

人気のもう1つの理由、それはデザイン

このブレンシリーズは、2018年の発売以来、本体のシームレスなデザインや、書きごこちでユーザーに強く支持されてきました。

これまでに、2019年のグッドデザイン賞をはじめ数々の賞を受賞しています。

それもそのはず、デザインを担当したのは、デザインオフィスnendoの佐藤オオキ氏。ご存知かもしれませんが、東京2020オリンピック・パラリンピックの聖火台をデザインした方です。

ブレン ファインドメカニズム(上)と、通常タイプのブレン(下)
ブレン ファインドメカニズム(上)と、通常タイプのブレン(下)

今回、ご紹介しているモデルは2月20日に発売になった限定のスケルトンモデル「ブレン ファインドメカニズム」です。筆者はたまたま入手できましたが、おそらく店頭在庫限りの可能性が高いとおもわれます。

ゼブラは、もともと「サラサスタディ」などのモデルで、グリップ部までスケルトン構造になっているタイプを発売していました。また、さらに時代を遡れば、1966年発売の透明軸ボールペン「クリスタル」は、透明なボディでインク残量が確認できるものでした。

このブレン ファインドメカニズムは、ゼブラのこういった伝統を踏まえつつも、ブレンのメカニズムを視覚的に確認できるという新しいポイントを持ったものだといえます。

インクの残量やリフィルの型番が確認できる点はやはり便利です。また、ボディ形状は通常のブレンと同様なので、リフィルにも互換性があります。

このブレン ファインドメカニズム。もし店頭で目にしたら迷わずゲットをオススメします。

そのクリアボディの魅力のみならず、安定感のある筆致はペンケースの常連となることでしょう。

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Source: ゼブラ