新たに習慣を確立したい時には、Cue-Routine-Reward(きっかけ・ルーティン・報酬)システムが効果的です。
このシステムでは、自分が楽しめることを行動と組み合わせられることが、習慣化へのカギとなっています。この「好き」という要素が、CRRが習慣として機能するためにとても重要なことなのです。
CRRとは何か?
Cue-Routine-RewardのCue(きっかけ)は、何かをするように脳に思い出させるトリガーです。その次に、身体的、感情的、または精神的な「ルーティン」が来ます。
ルーティンが終わったあとの「報酬」とは、自分が楽しめるもので、その行動をする動機づけになるべきものです。
CRRシステムを支える基本は、称えること、つまり、すべてのハードワークを称えるということ。
時間が経つにつれて、CRRはループ化していきます。
この繰り返しのループだけでは行動にはつながらないので、自分で行動を起こさなければなりません。最終的には、「報酬」がなくても行動できるようになるでしょう。
CRRで生産性を高める方法
CRRは、新しい習慣をつくり、生産性を高め、悪習慣を断ち切るのに役立ちます。いくつか例を見てみましょう。
1. 新しい習慣をつくる
早朝にジムへ通ってワークアウトしたいと仮定しましょう。
この場合、ジムへ行くことを思い出させるアラームがそのきっかけになります。
ジムへ行くことを考え続けるのはストレスなので忘れてしまってもいいのですが、それをリマインドするアラームのような合図が重要です。
次のステップはルーティン、つまりジムでの活動そのもの。そして、自分が楽しめる「報酬」を決めましょう。
それはスムージーでもチョコレートでも、自分がジム通いをするようになるものなら何でも良いのです。時が経つにつれて報酬への依存度は低くなり、ルーティンは独立したものになっていきます。
2. 生産性を高める
在宅勤務では、長い時間続けて働くのが難しいこともあるでしょう。そんな時には、CRRを取り入れて、たとえば2時間ごとに報酬を楽しむこともできます。
3. 役立たない習慣を手放す
禁煙を例にしましょう。これは一筋縄ではいかないかもしれません。というのも喫煙自体がCRRだからです。
タバコのきっかけは、他人が吸っているのを見る、ニコチンへの渇望感、人付き合い、外出したい衝動などが挙げられます。
報酬は、タバコそのもの、人とのおしゃべり、自分の時間、仕事の間の休憩などです。
この連鎖を断ち切るには、タバコと同じような刺激を得られるものを代わりに取り入れる必要があります。たとえば、コーヒー。
コーヒーでも休憩が取れますし、人と話したりもできます。
また、コーヒーには、ニコチンの代わりにカフェインという刺激があります。カフェインはニコチンよりも害が少なく、がんのリスクがないといいます。
吸いたいという衝動がいつもきっかけになるので、それを断ち切るのは容易ではないでしょう。それでもこのモデルは禁煙に役立ちます。
ソーシャルメディアにもあるCRR
ソーシャルメディアは、ユーザーがメディアを閲覧することを習慣化するように仕向けることで収益をあげています。
この場合のきっかけは退屈です。退屈して何もすることがない時、いつもソーシャルメディアに走るようになります。
ルーティンは、Facebookの投稿やPinterestの写真、ツイートをスクロールすることです。何が起こっているか知りたい、おもしろいものが見たいという気持ちから行動します。
大勢の人たちが共有しているので、おもしろいものを見つけるのは簡単です。このような「おもしろい」投稿によって、満足感や幸福感を高めるドーパミンとエンドルフィンの放出が促されるようです。
ログインするたびに幸福感と満足感が得られるというわけです。落ち込んだり退屈するたびにアカウントにログインすることによって、連鎖がつくられます。
CRRシステムを活用するアプリ
習慣がどのように機能するかを理解することは、定期的に運動したり、減量したり、生産性を高めて結果を出すためには不可欠。
これにはCRRシステムが役立ちます。
新しい習慣を身につけるのに役立つアプリには、HabitHub、Habiticaなどがおすすめ。
これらのアプリで、リマインダーを設定したり進行状況を追跡したり、自分のルーティンを分析することができます。
──2021年5月30日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
訳: ぬえよしこ
Original Article: How to Form New Habits With Cue-Routine-Reward System by MakeUseOf