ゴールデンウイークで気分がリラックスしたついでに、健やかで穏やかな心を保つ練習をしてみませんか?
今回は、曹洞宗徳雄山建功寺住職・枡野俊明さんの著書『上手な心の守り方 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント』(三笠書房)より、自分を守る心の持ちようを紹介します。
「心を守る」とは、「心を強くする」とは違う
枡野さんが説く「自分を守る心の持ちよう」とは、メンタルを鍛えることでも強い心を持つことでもないとのこと。必要なのは、禅でいうところの「柔軟心(にゅうなんしん)」。
この「柔軟心」とは決まった形のない雲のような心のことで、「物事に対する考え方が一つに固定されておらず、状況や相手に応じて自由自在に変わっていくことを意味する」と枡野さんは解説します。
そんな「雲の生き方」に倣って、人間も「柔軟心」を持って生きればいいのです。「何があっても無理して逆らわず、流れに任せればいいんだ」と気楽になれます。そうすることで、イヤなこと、ムカムカすること、クヨクヨすることに押しつぶされそうになる心が守られるのです。
(『上手な心の守り方 不安、悩み、怒りをこじらせない、99のヒント』はじめに)
もちろん、ストレスを跳ね返す強さも必要ですし、ムカムカやクヨクヨといった感情が湧く現実はしっかりと見極めることも重要。
そのうえで「柔軟心」をもって身を委ねることがポイントだとか。具体的に例を挙げてみましょう。