同じ英国型でも大阪タイプか東京タイプかまでわかる 変異株を解析する国立遺伝学研究所とは… 静岡・三島市

 静岡県三島市の国立遺伝学研究所。先月、締結した県との協定を元に県内の新型コロナウイルス変異株のゲノム解析を行っています。

画像: 同じ英国型でも大阪タイプか東京タイプかまでわかる 変異株を解析する国立遺伝学研究所とは… 静岡・三島市

 遺伝研は1949年に設立された国の研究機関で、現在、遺伝学の研究者らおよそ400人が働いています。

解析装置には10億分の1メートルサイズの小さな穴が2000個

画像1: 解析装置には10億分の1メートルサイズの小さな穴が2000個

藤井章人記者:「普段は入ることが出来ないこちらの部屋の撮影が、今回特別に許可されました。国立遺伝学研究所には、現在8台の解析装置があるが、こちらの小さな装置で、新型コロナウイルスの遺伝子配列を解析しているということです」  

こちらがゲノム情報の読み取り装置です。

画像2: 解析装置には10億分の1メートルサイズの小さな穴が2000個

国立遺伝学研究所 豊田敦特任教授:「黄色の部分にナノメートル(10億分の1メートル)くらいのサイズの小さな2000個ほどの穴が空いています。その中を一本鎖のDNAが通過する際に、電流値の変化を読み取って、ATGC(塩基)の配列を決定します」

 送られてきた新型コロナ感染者の検体を専用の装置に入れてセット。5時間から6時間ほどで配列がわかります。

国立遺伝学研究所 豊田敦特任教授:「この一つ一つの緑の四角が、ちょうど、この穴の中をDNAが通過しているということを表している」

 現在、県から送られてくる検体は週に50件から100件ほどです。

画像3: 解析装置には10億分の1メートルサイズの小さな穴が2000個

 他にも、一度に数千件の解析ができる次世代型のゲノム情報読み取り装置も2台備えられています。

 そして、スーパーコンピューターなどでゲノム情報の配列を解析します。

国立遺伝学研究所 森宙史准教授:「こういうATGCの配列が出てきているので、この配列を使って、実際のSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)のゲノムとどの領域が違うのか、つまり変異のサイト(場所)を見つけるということをしている」

変異を見つけるメリットは

画像: 変異を見つけるメリットは

 「変異を見つける」ことや「すべてのゲノム情報を解析する」ことの最大のメリットは…。

国立遺伝学研究所 黒川顕教授:「例えば、イギリス型は大阪で感染拡大しているイギリス型なのか、それとも東京地区でじわじわ広がっているようなイギリス型なのか、どちらなのかすべてわかることになる。どこからの流れをまず止めなきゃいけないとか、例えば小学生の間で、何らかのクラスターが広がっている、クラスターというのは、同じ株ということだが、というのがわかれば、やはり小学校がそういう場になっているのだということで、休校措置を取りましょうという政治判断にも即につながっていく」

 一方、県内でも感染が相次ぐインド株について、ゲノム解析の必要性を次のように指摘します。

国立遺伝学研究所 井ノ上逸朗教授:「インド型は感染力がさらに強いと考えられるので、ちょっと増えれば、ずっと増えていく。だから、今抑えておかないといけないのは明らか。接触した方を片っ端から調べて、PCR検査をして、陽性だったらゲノム解析をすると。かなり無駄が出ると思うが、それでもやっていかないと、見つけたら隔離をするわけなので、ある程度徹底的にやらないといけない」