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新しい年が明け、早くも2週間がたちました。今年もあっという間に過ぎてしまいそうな予感がしますが、いろいろな人に出会い、声や思いを届けたいと思っています。「今、私は生き直そうとしている」。そう語る女性の半生を2回にわたり紹介します(2回目は28日公開予定)。【デジタル編集本部・牧野宏美】
後編〈「傷つく女性、減らしたい」過酷な半生の元受刑者が抱く夢〉
「お帰りなさい」。入寮初日の人には、肉と野菜がバランスよくとれるサムギョプサルを準備し、あたたかくもてなす。心を開いてもらえるよう、食事はなるべく一緒にとり、会話を交わすのがこだわりだ。一般社団法人「生き直し」(西東京市)のボランティアスタッフ、竹田淳子さん(52)は約3年前から、刑務所などから出所した女性が一時的に暮らす「自立準備ホーム」の施設長を務めている。
自身も元受刑者。30代のころ、覚醒剤取締法違反などの罪で4年間服役した。その経験を各地で講演し、赤裸々に語っているが、なぜ罪を犯した人を支援する側に回ったのだろうか。
その半生は凄絶(せいぜつ)だ。暴力団員の父とストリッパーの母の間に生まれた。両親は不在がちで、幼少期は主に祖父母宅で育った。「ヤクザの娘」「ストリッパーの娘」などと言われ、小学校ではいじめられ不登校になった。やがて両親は離婚し、小学4年の時に母と2人で暮らしたが、母の交際相手から性被害に遭った。数カ月後、事業に失…
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