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ジェンダー(社会的に作られた性差)にとらわれない、平等な社会とは?格差解消のための課題を考えます。

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妊娠判明から21日後に母になった 「産んで良かった」と思えるまで

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介護福祉士として働く坂本有希さん(右)。忙しい日々の中で、10歳の長女と過ごす時間が何よりも楽しい=名古屋市内で2024年3月7日午後7時26分、加藤沙波撮影
介護福祉士として働く坂本有希さん(右)。忙しい日々の中で、10歳の長女と過ごす時間が何よりも楽しい=名古屋市内で2024年3月7日午後7時26分、加藤沙波撮影

 医師から手渡された腹部エコー写真を見て目を疑った。そこには、目鼻立ちがはっきりとわかる胎児の姿が写っていた。予定日までわずか1カ月。「できているの、知っていましたか」。2013年夏、坂本有希さん(34)=名古屋市=は、医師の問いかけにも、ぼう然とするばかりだった。

 もともと生理不順だったし、体調や体形の変化も特に感じなかった。受診したのも、健康診断を受けた直後、職場から、すぐに産婦人科に行くよう言われたからだ。相手は高校時代から交際していた1学年上の男性。いずれ彼の仕事が安定したら結婚し、子どももほしい、と話していたが、今ではない。「どうしよう」という思いでいっぱいになった。

連絡を断った彼

 その日の夜、彼と、自分、母親の3人でファミレスで顔を合わせた。

 「どうしたらいい?」

 妊娠を打ち明けると、彼は明らかに動揺していた。今後についての話し合いは全く進まなかった。「また明日、話そう」と伝え、その日は実家に戻った。翌朝、一緒に暮らしていたアパートの部屋に向かうと彼の…

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