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雇用保険料は来年度からとなってしまうのだろうか?

公開日2021/12/26 更新日2021/12/27

食料品や光熱費が値上げラッシュとなっていますが、雇用保険料も来年度から引き上げられることになりそうです。
その背景にあるのが新型コロナウイルスの感染拡大です。これから雇用保険の料金は果たしてどうなるのでしょうか。

雇用調整助成金の支出増で雇用保険財源が枯渇

雇用保険制度とは、労働者が失業・休業した場合に、失業等給付や育児休業給付として金銭的なサポートをするための制度です。

失業等給付や育児休業給付を受給するためには、この制度に加入していなければなりません。加入条件を満たしていれば、原則として事業主は従業員全員を加入させる義務がある保険制度です。

事業主と労働者が支払う保険料が雇用保険の主な財源ですが、安定した雇用環境が続けば積立金とすることもできます。その積立金は、雇用環境の悪化で失業者が増加したときに取り崩す仕組みとなっています。

財源には国の一般会計から支出する国庫負担も含まれていますが、新型コロナウイルス感染拡大支援策である雇用調整助成金に、失業給付に回るはずの積立金が充てられたことで、保険料率を引き上げる案が浮上してきました。

月収30万円の場合は月額900円から1,500円に

今年度の保険料率は、労働者が賃金総額の0.3%、事業主が0.6%となっています。雇用環境の安定が続いていたことから積立金にも余裕があり、保険料率が歴史的低水準に抑えられていました。しかし、今後の保険料率アップは避けられそうにありません。

政府内で検討されているのは、労働者0.5%、事業主0.85%などです。引き上げ率は労使の代表者でつくる労働政策審議会などで調整することになっており、労使ともに引き上げには反対しているため、どう決着がつくのかはまだ見通せません。

ところで、どのくらいの負担になるのか、単純計算してみましょう。月収30万円の場合、現在の保険料率では月額900円ですが、0.5%に引き上げられると月額1,500円になります。年間では7,500円となりますから、やはりこの負担増は重く感じるのではないでしょうか。

安心して働くためには負担増の覚悟も必要

給与所得者の本音は、「できれば、保険料率は引き上げてほしくない」となるでしょうが、失業給付や育児休業給付がなければ、安心して働くことはできません。その財源が枯渇しているとすれば、ある程度の負担増は覚悟しなければならないでしょう。

雇用調整助成金に雇用保険の財源が充てられたのも、事業主がコロナ禍による休業や時短営業の要請に協力したからです。また、事業主が労働者に支払った休業手当の一部が、国が助成する雇用保険二事業(雇用安定事業・能力開発事業)に該当するためです。

また、保険料率引き上げを実行したい厚生労働省は、雇用保険に2兆2,000億円の追加投入する補正予算案を盛り込む姿勢のようです。これから年末に向けて、来年度の予算編成作業が大詰めを迎えますが、雇用保険の財源がどうなるのか目が離せません。

失業したときだけではない給付金

ところで、雇用保険はかつて失業保険と呼ばれていたように、失業したときに給付金が支給されるというイメージが強いですが、実は失業しなくても受給できるものもあります。

たとえば、早期に再就職した場合に支給となる就職促進給付(再就職手当、就業促進定着手当、就業手当)、雇用保険の加入期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の高齢者の賃金が、60歳時点の給料の75%未満に低下したときには、高年齢雇用継続基本給付金が支給されます。

さらに、教育訓練給付金などもあります。多少の値上げがあったとしても、労働者にとってはいざというときの心強い味方となるのが雇用保険制度ということは理解しておく必要がありそうです。

まとめ

今後、あらゆるものが一気に値上がりする流れになりそうです。一つひとつの値上げ幅は少なくとも、全体ではかなりの負担増となります。今後も雇用保険の保険料率は注目しておく必要があるでしょう。

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