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改正電子帳簿保存法が2022年1月1日に施行となりました。その詳細を把握しているかといえば、残念ながら「会計関連書類の電子データ保存についての法律」という程度の理解しかされていない場合も多いようです。しかし、この改正法はすべての事業者、また経理部門だけなく他部署での仕事の進め方にも大きく影響するため注意が必要です。
目次【本記事の内容】
これまでは紙での保存が義務付けられていた請求書や領収書などの会計書類や帳簿ですが、電子取引が広がったことにより電子データで保存する必要性も高まってきました。その保存のためのルールを定めたのが電子帳簿保存法で、1998年にスタートしました。
改正前の電子帳簿保存では、取引先と電子データでやりとりした書類を紙に印刷して保存することが認められていました。しかし、今回の改正で紙での保存が認められなくなったうえ、電子データでの保存するための厳しい要件も細かく定められました。
ところが、この電子データ保存要件の詳細については、経理・財務・会計担当者の73%が「詳細までは知らない」ということが、株式会社ラクスの調査(2021年9月実施)で明らかになっています。
法で定めた保存ルールに対応していなければ、青色申告の取り消しや罰則を受けることもあるため、「知らない」では済まされません。しかし、あまりにも認知度が低いことから、2年の猶予期間が設けられました。
企業は、2年の猶予期間の間に、改正電子帳簿保存法に定められた電子データ保存要件に対応する体制を構築しなければなりません。また、経理・財務・会計部門の担当者だけでなく、他部門の社員にもルールの徹底を求めていかなければなりません。
たとえば、現場での取引先とのやりとりは、紙と電子データが混在しているはずです。また、契約書や納品書などをPDFにして電子メールに添付して取引先でやりとりすることも多くなっているのではないでしょうか。
こうした電子取引情報は、これからはルールに基づいた電子保存が必要になります。社員全員が改正電子帳簿保存法の内容を、ある程度は知っておく必要があります。
改正電子帳簿保存法の内容、電子データの保存ルールを完全に理解しているのであれば問題はありません。しかし、対象の範囲や要件が難解なため、その運用は一筋縄ではいかないようです。
電子取引情報の電子データ保存には「使い方がわかる資料を備える」「すぐに確認できるようにモニタを備える」「日付・金額・取引先の3項目の範囲の指定などを検索できるようにする」「データの正確性を担保する」の要件が定められています。
ここで、重要となるのが「正確性の担保」で、タイムスタンプの付与、訂正削除ができないシステムを利用するなどの措置を取らなければなりません。
これらを、施行日までに準備をするとなると、とても時間が足りません。もっとも素早い対応方法としては、改正電子帳簿保存法対応のシステムを導入することです。
しかし、販売管理システムや経費精算システムなど業務特化型のサービスなどと組み合わせる必要があるうえ、コストの問題も考えると、対応に難しさは残るといえるでしょう。
改正電子帳簿保存法の目的は、書類の電子データ化によるペーパーレス化だったはず。その流れに逆行することのないように、しっかり法律の内容を把握した対応が、企業には求められることになりそうです。
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