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改訂から約1年。コーポレートガバナンス・コードが示す、ESGとサステナブルな企業経営との関わり

公開日2022/06/11 更新日2022/06/12

現代社会での企業の役割は、消費者を含めたステークホルダーの要請により、商品やサービスの提供のみならず、積極的な社会貢献にまで拡大しています。こうした現状を踏まえて、2021年6月にコーポレートガバナンス・コードが改訂されました。

この改訂にはESGの広がりが関わっていますが、具体的に何を目指した改訂なのか、まだ理解が進んでいないかもしれません。この記事ではESGとコーポレートガバナンスの基本を解説し、今回の改訂に関するポイントについても紹介します。

ESGとは?

最近では投資先の情報としても重視されるESGとは、「Environment:環境」「Social:社会」「Governance:企業統治」の頭文字をとった言葉です。SDGsに共通する響きがありますが、目標や規定が定められているわけではありません。

企業にとっては収益を上げることが大きな目的ですが、今の社会では企業の社会的な貢献度も評価されます。その企業がどれだけ環境を意識して、社会にとってプラスになる活動を行い、コンプライアンスを遵守しているか、こうした観点からの企業評価がESGだと言えるでしょう。

ESGが重視される背景

ESGに対する意識の高まりは、SDGsと同様に将来に向けての持続可能な成長と関わっています。まず社会の中で周囲の環境を重視する動きが生まれ、消費者や投資家・金融機関などが、社会に対する企業の誠実な取り組みにも目を向けるようになりました。

また経済産業省の資料を見ると、ESG関連への投資額は年々増加しており、2018年時点ですでに世界で約30兆ドル(約3,800兆円)規模にまで成長しています。これからを生き抜くために、ESGは企業にとって欠かせない指針になったのです。

コーポレートガバナンスの概要

ガバナンスとは本来「統治」や「管理」を表す言葉で、通常コーポレートガバナンスは企業統治と言い換えられます。端的にまとめると、企業が社会に対して負うべき責任と、それを経営に活かすための取り組みと考えるとよいでしょう。

一つの企業が経営を維持するためには、顧客・従業員・株主・取引先・投資家・地域コミュニティなど、実にさまざまな関係者に対して責任を持たなければなりません。企業の不祥事が発覚すると、それら関係者のすべてに影響が及ぶからです。

さらに、社会に対して悪影響を及ぼす行為を予防するためには、企業が誠実に経営されているかどうか、内部と外部から監査する仕組みも必要です。企業経営の透明性を高めると表現してもよいでしょう。こうした取り組みの指針となるものがコーポレートガバナンスなのです。

コーポレートガバナンス・コードの策定と改訂

日本には、コーポレートガバナンスを実践するためのガイドラインがあります。それが「コーポレートガバナンス・コード」であり、2015年6月に金融庁と東京証券取引所が共同で策定しました。

この中では企業が経営指針とすべき基本原則が、以下のとおり五つ定められています。

・株主の権利・平等性の確保

・株主以外のステークホルダーとの適切な協議

・適切な情報開示と透明性の確保

・取締役会等の責務

・株主との対話

(出典)「コーポレートガバナンス・コード」日本取引所グループ

これら五つの原則はさらに細かい規定により構成され、一見すると法律の条文のような印象を受けますが、規定によって企業活動を制限するものではありません。基本的には骨格部分にあたる原則のみを定め、具体的な実施についてはそれぞれの企業の判断に任せるという考え方を採用しています。

コーポレートガバナンス・コードが目指すもの

コーポレートガバナンス・コードは2018年6月に一度改訂され、そして2021年6月には、ESGと企業のサステナビリティに対応するために二度目の改訂が行われました。

2021年の改訂では、主に以下の点が追記されました。

・取締役会の機能発揮

社外取締役の選任や、取締役会が有するスキルの開示などに関わる規定

・企業の中核人材における多様性の確保

女性・外国人・中途採用者の管理職への登用などに関わる規定

・サステナビリティを巡る課題での取り組み

ESGの要素を含むサステナビリティへの取り組みに関わる規定

・その他の項目

グループガバナンスや株主総会などの関わる規定

新たに取り入れられた規定では、ESGに対応するための持続可能な取り組みが明記されています。この中には環境問題だけではなく、従業員の待遇改善や労働環境の改善、取引先との公正な取引関係なども含まれています。取締役会に関する規定の強化もその一環と言えるでしょう。

このように、これからの企業にとっては、経営戦略の中にESGをいかにうまく取り入れるかが重要なテーマになるはずです。今後は利益を生み出すと同時に、サステナブルな企業であることも求められるのです。

まとめ

少子高齢化が加速する日本社会では、どのような分野においても持続可能性の追及が大きなテーマになっています。国内企業も企業価値に目を向けるようになり、社会全体も企業価値を基準に商品やサービスを選ぶ時代になりつつあります。

この現状に対応するために、これからの企業が守るべき指針として策定されたのがコーポレートガバナンス・コードです。コーポレートガバナンス・コードの実施状況は、東京証券取引所でも公開されています。

さらに持続可能な社会の構築を目指して、ESGに対する取り組みも広がりを見せており、コーポレートガバナンス・コードにもその考え方が取り入れられました。これからの企業が成功するためには、ESGに積極的に関わることが求められるようになるでしょう。

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