トレンド

「銀行からのSMS」を信じて詐欺にあった40代女性 見抜く方法と対策は

パートタイマー・A子さんのフィッシング詐欺被害実例(イラスト/ニシノアポロ)

パートタイマー・A子さんのフィッシング詐欺被害実例(イラスト/ニシノアポロ)

 コロナ禍による外出自粛を背景に、ネット通販トラブルが急増している。特に、ECサイトや銀行、クレジットカード会社などを装ったフィッシング詐欺が横行しており、フィッシング対策協議会事務局によると、フィッシング報告件数は2021年1月の4万3972件で、前月から1万1801件増加したという。そこで、全国の消費生活センターに寄せられた実例をもとに、そのフィッシング詐欺の手口と対策を紹介する。

 東京都在住のパートタイマー・A子さん(45才)のスマホに、ある日、銀行から「セキュリティー強化のための更新手続き」というショートメッセージ(SMS)が届いた。

「セキュリティー強化は大事」と考えたA子さんは、URLの誘導画面にIDやパスワード、暗証番号を入力した。すると数日後、自分の口座から知らない相手にお金が振り込まれてしまった。SMSの送り主は銀行を装った詐欺グループで、A子さんは見知らぬ相手に個人情報を教えてしまったために、勝手にお金をやり取りされたのだ。フィッシング対策協議会事務局の平塚伸代さんが話す。

「実在する組織を騙ってログインIDやパスワード、メールアドレス、暗証番号、銀行口座番号、クレジットカード番号などの個人情報を詐取することを当協議会では“フィッシング詐欺”と定義しています」

 フィッシング詐欺は、あらゆる組織になりすまして行われる。銀行やクレジットカード会社などの金融系、大手ECサイト、総務省などの公的機関、確定申告などの行政サービス、宅配業者など、さまざまだ。緊急を装うメールやSMSで、偽サイトや偽ログイン画面へ誘導しようとする手口が多い。しかし、宅配業者がSMSで連絡することはなく、企業が支払い時以外で会員情報確認のためにクレジットカード情報の入力を求めることもない。

「パソコンなら長いURLも判読できますが、スマホ画面は表示範囲も狭く、公式サイトのURLのうろ覚えや見間違いが起こり得るため、見破るのはかなり困難です」(平塚さん)

 また、ヤフー広報の小澤恵さんは、「メール内のリンクには触れないのが鉄則ですが、もし『本物の通知かもしれない』と気になることがあれば、スマホの公式アプリやブラウザから公式サイトにログインして、いろいろ確かめるのが安全で確実です」と語る。

 メールやSMSにあるURLは犯人側に通じており、リンクに入れば、それこそ相手の思うツボだ。

「もしクレジットカード情報を入力してしまったら、カード会社にすぐ連絡し、利用明細を細かく確認しましょう。また、大手ECサイトのIDやパスワードが漏れた場合は、不正に買い物されないように、パスワードを即変更するようにしてください」(平塚さん・以下同)

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。