「THE LAST OF US」など話題作ラッシュ!ペドロ・パスカルが『マッシブ・タレント』で発揮したグレーな魅力|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「THE LAST OF US」など話題作ラッシュ!ペドロ・パスカルが『マッシブ・タレント』で発揮したグレーな魅力

コラム

「THE LAST OF US」など話題作ラッシュ!ペドロ・パスカルが『マッシブ・タレント』で発揮したグレーな魅力

世界的に大ヒットを記録しているドラマ「THE LAST OF US(ラスト オブ アス)」や、シーズン3が配信された「スター・ウォーズ」のドラマシリーズ「マンダロリアン」など、近年の注目作での活躍が目覚ましいペドロ・パスカル。ニコラス・ケイジが本人役を演じ話題を集めている『マッシブ・タレント』(3月24日公開)でも、主演のケイジに負けず劣らずの存在感を発揮している。

【写真を見る】危険な香り漂うイケオジ俳優ペドロ・パスカルの魅力とは?(『マッシブ・タレント』)
【写真を見る】危険な香り漂うイケオジ俳優ペドロ・パスカルの魅力とは?(『マッシブ・タレント』)[r], TM & [c] 2022 Lions Gate Ent. Inc. All Rights Reserved.

遅咲きブレイクのきっかけとなった役柄は?

チリのサンティアゴで生まれ、幼い頃にアウグスト・ピノチェトの独裁から逃れるため、両親と共に国外へ亡命したというバックグラウンドを持つパスカル。ニューヨーク大学では数多くの監督や俳優を輩出したアート学部ティッシュ・スクール・オブ・ジ・アーツで学び、演技の道へと足を踏みだしていく。

「ゲーム・オブ・スローンズ」では目に指を突っ込まれ頭を潰されるという壮絶な死に様が話題に
「ゲーム・オブ・スローンズ」では目に指を突っ込まれ頭を潰されるという壮絶な死に様が話題に[c]Everett Collection/AFLO

しかし、2000年頃から舞台やテレビを中心に活動しだすも、ドラマでは1話だけのゲスト出演が続くなど鳴かず飛ばず。そんな長い下積みを経て、一気にブレイクを果たす当たり役となったのが、2014年に出演した「ゲーム・オブ・スローンズ」のオベリン・マーテルだ。

娼館で楽しみの限りを尽くし、重要な決闘前にもワインを嗜む一見チャラくてセクシーな男だが、実は心のうちに情熱を秘めているというキャラクターは、整ったルックスやチャーミングな魅力を持つパスカルにとってまさにはまり役。短い登場期間で放った炎のような輝きは、壮絶な死に際を含めインパクト抜群だった。

どこか危険な空気感も魅力の一つだ(「ナルコス」)
どこか危険な空気感も魅力の一つだ(「ナルコス」)[c]Netflix/courtesy Everett Collection

これを機に知名度を上げたパスカルは、その後もプレイボーイだが義理人情に厚いDEA捜査官ペーニャを演じたNetflix「ナルコス」や、ほとんど顔を見せない異色の主人公に扮した「マンダロリアン」、先日シーズン1が終了したばかりの「THE LAST OF US」と話題のドラマシリーズに立て続けに出演。また映画でも、『キングスマン:ゴールデン・サークル』(17)や『イコライザー2』(18)、『ワンダーウーマン 1984』(20)といった娯楽大作に名を連ね、存在感を発揮してきた。

悪役として存在感を発揮した『ワンダーウーマン 1984』
悪役として存在感を発揮した『ワンダーウーマン 1984』[c] Warner Bros. / Courtesy Everett Collection

相反する表情を見せる二面性あるグレーな魅力


そんなパスカルの役者としての魅力はこれまで演じてきたキャラクターの多くがそうであるように、二面性を持つ一筋縄ではいかない人物を巧みに演じられる点だろう。軽そうに見えて実はアツい男だったオベリンやペーニャのほかにも、マンダロリアン役では、スゴ腕のバウンティハンターでありながら標的であるグローグーにほだされ育てていくという父性を覗かせている。

本当にパスカルが演じている(「マンダロリアン」)
本当にパスカルが演じている(「マンダロリアン」)[c]Disney+/Lucasfilm / Courtesy Everett Collection

名作ゾンビゲームを原作とする「THE LAST OF US」の密輸業者ジョエルも、ただの“荷物”のはずだった少女エリーに失った娘の影を重ね、ゾンビパンデミック治療の鍵を握るために様々な人物からねらわれる彼女を必死に守ろうとする心の変化を繊細に体現した。

父性を感じさせる繊細な演技を見せている(「THE LAST OF US」)
父性を感じさせる繊細な演技を見せている(「THE LAST OF US」)[c]HBO / Courtesy Everett Collection

悪役を演じても二面性を巧みに表現し、キャラクターに深みを与えている。『ワンダーウーマン 1984』で演じた人間の欲望につけ込む怪しい実業家マックスも胡散臭さがムンムンと漂うが、実は行動の動機には愛する息子の存在があり…という複雑な男。世間向けの実業家としての顔をニタニタした不気味な笑顔を携えてノリノリに演じたかと思えば、息子に向けるエモーショナルな一面を覗かせ、幅のある表情でマックスに人間味をもたらした。

胡散臭い大富豪キャラはお手のもの!(『ワンダーウーマン 1984』)
胡散臭い大富豪キャラはお手のもの!(『ワンダーウーマン 1984』)[c] Warner Bros. / Courtesy Everett Collection

さらに『キングスマン:ゴールデンサークル』や『イコライザー2』でも、危険な香りを漂わせた敵か味方かわからないような怪しげな存在感で観客をかく乱するなど、クセ者として近年多くの作品で必要とされている。

「イコライザー2」では敵か味方かわからないグレーな存在感を発揮した
「イコライザー2」では敵か味方かわからないグレーな存在感を発揮した[c] Columbia Pictures /Courtesy Everett Collection

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