ACCESSと凸版印刷は4月18日、ZETA対応IoTデバイス開発で協業し、ZETAの普及拡大を推進していくと発表した。ACCESSはZETA対応のIoTデバイスとして、GPSを活用して人・モノの位置情報を監視する「GPS トラッカー」(ZETA版)および、カメラで人・モノの位置情報を捉えAI解析する「IoTカメラ」(ZETA版)を開発し、IoTサービス向けLPWA(Low Power Wide Area)ソリューションとして、2019年夏に提供開始するという。

ZETAは、英ZiFiSence Info Techが開発した低電力でメッシュネットワークの構築が可能な次世代LPWAの規格。IoT時代の無線通信規格として、LPWA市場が今後爆発的な拡大が見込まれる中、特にZETAは、電池駆動の中継器(Mote)を使用して920MHz帯でメッシュネットワークを構築し、広範なエリアをカバーできるという。

この特性を活かし、3G/LTE網の電波がカバーしきれない山間部での畜産、害獣対策、インフラモニタリング、防災対策などを対象にした多様なIoTサービスの市場開拓が期待されている。

  • 山間部でのZETA網を活用したIoTサービスのイメージ

    山間部でのZETA網を活用したIoTサービスのイメージ

凸版は、ZETAの基幹部品である通信モジュール「TZM901シリーズ」の開発を完了し、2017年10月1日の電波法施行規則等の一部を改正する省令で追加された既定に適合する、工事設計認証を取得している。

限られた電波資源の中で2kHzの超狭帯域を使用することで、混信に強く信頼性の高い通信が可能になり、エレクトロニクス事業で培ったモジュール設計技術を生かし、従来製品と比べて約40%の小型化に成功し、これによりACCESSのIoTデバイスへの搭載を実現したという。

一方、ACCESSは、世界最小クラスのエッジコンピューティングなど省メモリ性に優れた組み込みソフトウェア技術や多様な無線通信規格に準拠したセンサ技術を駆使するIoTデバイスから、クラウド連携、サービス事業者向け管理画面までを包括的に提供するソリューションの開発・提供に多くの商用実績を持つという。

今回、同社が新たに開発したソリューションはZETA網の活用により、これまで困難だったエリアでの高付加価値なIoTサービスの創出を実現するとしている。

ACCESSが開発したZETA対応IoTデバイス2機種のうち、GPS トラッカー(ZETA版)は、GPS機能で捉えた人やモノ・動物などの位置情報を、ZETA網を通じて遠隔地から把握・監視するソリューション。

一方のIoTカメラ(ZETA版)は、人やモノの位置情報をカメラ機器上で取得・認識・データ化し、ZETA網でクラウドへ送信、遠隔地からの管理を可能するソリューション。設置することで、既存の施設や設備を容易に低コストでIoT化できるという。

また、低解像度の画像データを「NetFront Agent EdgeAI」により、エッジ側でAI処理するため、不要なデータをサーバへ上げ続けることによる通信コストの増大を回避できるとしている。

  • GPS トラッカー(ZETA版)の筐体イメージ

    GPS トラッカー(ZETA版)の筐体イメージ

  • IoTカメラ (ZETA版)の筐体イメージ

    IoTカメラ (ZETA版)の筐体イメージ