離島、過疎地の子のクラブ活動支援 休眠預金で助成 「未来基金ながさき」などが県内3団体へ

事業について説明する団体の代表者=長崎市出島町

 コミュニティー財団「一般財団法人未来基金ながさき」(山本倫子理事長)などでつくるコンソーシアム(共同事業体)は、休眠預金を活用し「高島活性化コンベンション協会ESPO」など離島や過疎地の子どものクラブ活動を支援する佐世保、雲仙、対馬各市の3団体を助成する。長崎市内で25日、団体の代表らが支援内容や活動の現状、今後の見通しを発表した。
 休眠預金は10年以上取引がない金融機関の預金。2019年度に民間の公益活動に充てる制度が始まった。対馬、雲仙両市の社会福祉協議会などと構成するコンソーシアムは、休眠預金の資金分配団体に採択され、3団体を公募で選定。26年2月までに計1億3800万円を助成する予定。
 対馬市では「長崎OMURA室内合奏団」と「対馬ほほえみ会」が連携し、子どもが吹奏楽に触れる機会を創出。中学や高校の吹奏楽部がない中部の豊玉地区を中心に支援する。
 合奏団管楽器メンバーによるワークショップを兼ねた演奏会を開催。吹奏楽経験者にも呼びかけ、指導者の育成にもつなげる。通常は高齢者向けの移動支援などをしている対馬ほほえみ会が、子どもたちの送迎を担う。合奏団の藤﨑澄雄事務局長は「離島の子どもたちにも本土並みの音楽体験をしてほしい」と話した。
 雲仙市の中学生の吹奏楽地域クラブ「雲仙ジュニアブラス」の送迎支援実証実験を昨年10月から始めた「うんぜん部活動移動支援実証実験運営協議会」は、移動手段の確保によって7人が入部したと報告。スポーツ系地域クラブを含めた運行拡大に向けた体制構築などを課題とした。
 佐世保市の一般社団法人「高島活性化コンベンション協会ESPO」は、同市高島町の子どもが部活動や習い事に通う際の漁船などでの送迎、情報インフラ整備など6事業を展開。学童保育がないことなどから、子どもたちの交流スペースの創出なども盛り込んだ。

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