大自然の中、満天の星空を見に「星空散歩」へ出かけよう

いいことたくさん、コロナ下の今注目のアクティビティ

2021.03.20
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国際ダークスカイ協会の星空保護区に認定された、カナダ、サスカチュワン州のグラスランズ国立公園で天の川を見つめる公園ガイド。(VW Pics, Universal Images Group/Getty Images)
国際ダークスカイ協会の星空保護区に認定された、カナダ、サスカチュワン州のグラスランズ国立公園で天の川を見つめる公園ガイド。(VW Pics, Universal Images Group/Getty Images)
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 日の沈んだ大自然の中で、満天の星空を楽しむ「星空散歩」が注目を集めている。コロナ下での新たなアウトドアアクティビティとして、また健康に良い体験としてもうってつけだ。

 英国人の写真家、レベッカ・ダグラス氏は、いつも夜空に魅了されてきた。星を愛する彼女は、星空散歩のためにアイスランドや北極にまで旅をし、暗くなった道を歩いては、きらめく星座や輝く惑星を写真にとらえてきた。

 ダグラス氏のように自然を愛する人にとって、星空散歩はパンデミックの時代に求められる解毒剤になろうとしている。日が沈んだ後の丘陵や谷に行くことで、熱心なアウトドア愛好家は自然の中で健康になれるだけでなく、誰もいない道の上に広がる果てしない夜空を独り占めもできる。

 夜のハイキング自体は、珍しいことではない。キャンプ場に行くため、あるいは山頂から日の出を見るために、日が暮れてから歩くことは多い。星空散歩はそれを一歩進めて、ハイキングと天体観測を組み合わせる。天文台を目指して歩いたり裏庭に望遠鏡を立てたりする代わりに、小旅行に出て、いつもとは違う視点から星を眺めるのだ。

イタリア、南チロルのヴァルセナレス氷河公園にある岩だらけの登山道を歩くカップル。(Photograph by Stephen Lux, Alamy)
イタリア、南チロルのヴァルセナレス氷河公園にある岩だらけの登山道を歩くカップル。(Photograph by Stephen Lux, Alamy)
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 日没後の散歩を試すなら、今が絶好のタイミングだろう。3月20日は春分の日、つまり昼と夜の時間がほぼ同じくらいになる日だ。これから夏に向かって、段々と日が長くなっていく。

なぜ星空散歩?

 地形のシルエットの上に浮かぶ月を山腹から眺めるにしても、暗い湖の水面に映る星を見つめるにしても、星空散歩は多くの場合、普通の天体観測に比べてはるかにダイナミックだ。

「一面の星空に覆われた田園風景の中に入っていくのは、天文台の比ではありません」と話すのは、英国ダラム州で「スターゲイジングナイツ」を運営し、ガイド付きの夜のハイキングを主催しているゲイリー・リンターン氏だ。「私はこの素晴らしい経験を皆さんと分かち合うことを楽しんでいます。特に、ハイフォース滝(英国ティーズデールにある同国最大の滝)が好きです」

 その上、星空散歩は体にも良い。自然の中に身を置くことが健康にもたらす効果は、多くの研究で立証されている。週に2時間以上野外で過ごし、「非自発的注意」が喚起される環境で活動をすることには、血圧を下げ、心拍数を減少させ、ストレスレベルを下げる効果がある。(参考記事:特集「自然に癒やされる」

 夜に歩くことには眠りの質を向上させる効果もあり、これは健康全般にとって大切だと、米アラバマ大学で行動睡眠の研究をするクリスティーナ・ピエールパオリ・パーカー氏は言う。

 パーカー氏によれば、星空散歩は、睡眠の質を決定する2つの生理的過程に働きかける。「移動と運動、例えばリラックスして星を見ながら外を歩くことは、睡眠のホメオスタシス調節を駆動して睡眠を促す」という。さらに、夜にスマホなどの明るいスクリーンを見ることで生じる概日リズムの乱れを防ぐ効果も期待できる。

次ページ:日本にもある「星空保護区」

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