天保3年(1832年)創業の老舗酒蔵・楯の川酒造は、全量純米大吟醸蔵にこだわった日本酒や焼酎、リキュールなどの酒類を販売している。自社ECサイト「楯の川酒造オンラインショップ」を運営している。
同社の日本酒のこだわりは、「純米大吟醸蔵」だ。「日本酒の最高カテゴリーである純米大吟醸というカテゴリーに特化することで、品質を磨き上げて、シンプルさを訴求し、より多くの人に、気軽に日本酒を楽しんでもらいたいと考えた」(通販事業部 三浦航平部長)と話す。
同社の日本酒のほとんどに、地元・山形県産の酒造好適米である、「出羽燦々(でわさんさん)」と「美山錦(みやまにしき)」を採用しているという。「酒米栽培から日本酒の製造まで、一貫して造り手の顔が見えるようにしたい」(同社)としている。
「水は日本酒の味わいに大きな影響を与える。山形の庄内地方は、山々に囲まれている。そのため、地表に降り注いだ雨や雪が地中深く染み込むと、長い年月をかけて、幾層の地層が自然のフィルターとなり、ろ過される。そうした奇麗な水を使用して、酒造りを行っている」(同社)と言う。
同社では、数十種類の商品を展開しているが、共通する味わいの方針は、「香りと旨みがあり、奇麗な日本酒」だという。
サイトでは、季節商品、限定酒なども人気だとしている。新鮮なヨーグルトリキュール「子宝」シリーズや、山形の果物を使ったフルーツリキュールも好評だという。
▲フルリニューアルオープンした楯の川酒造オンラインショップ自社ECサイトは、今年4月にフルリニューアルオープンした。サイトの刷新では、視覚導線を改善し、直感的な操作を可能にするなど、UI・UXを変更したという。スマートフォンでも見やすいようにしたり、商品を探しやすくしたりしたそうだ。
「今年は、『楯の川酒造』にとってリブランディングの年。多くの新商品を発売予定だ」と言う。今年4月末には、定番品である日本酒「楯野川」の5商品について、ボトルなどのデザインを刷新。その内一部商品については名称も変更し、販売を開始した。
▲ボトルなどのデザインをリニューアルした日本酒「楯野川」同社では、メールでニュースレターを発行しており、開封率も高いそうだ。商品が生まれる経緯や、詳しい魅力など、「コアな内容の発信を心がけている」と話す。
同社では、定期的に顧客にアンケートを取るそうだが、その中でも「より詳しい内容が知りたい」という回答が少なくないそうだ。「お客さまが知りたい情報を届けられるように意識している」と言う。
SNSなどを活用し、ファンに向けた発信に注力しているのだという。「SNSでの発信で、より幅広い層のお客さまとつながれるようになったと感じている」と話す。
LINEでは、酒蔵や商品などについての発信だけでなく、蔵人や製造部の動画なども配信しているそうだ。ツイッターでは、コメントへの返信を行うなど、コミュニケーションを取ることを大切にしているという。
「楯の川酒造オンラインショップ」https://shop.tatenokawa.com/