2022.05.27

Loop Now Technologies、約190億円を調達 動画DXプラットフォーム「Firework」の成長加速へ

動画DXプラットフォーム「Firework(ファイヤーワーク)」を提供するLoop Now Technologiesは5月24日、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2が主導するシリーズBにおいて、およそ1億5000万ドル、日本円にして約190億円の資金を調達した。調達した資金をもとに成長の加速を図り、短期的には、エンジニアリング、プロダクト、マーケティングにおける人材獲得と、プラットフォーム全体の強化を目指す。

Loop Now Technologiesの提供する「Firework」は、縦型ショート動画やライブコマース、動画編集ツール、広告マネタイズを一気通貫で提供する動画DXプラットフォーム。わずか5分、エンジニア不要で自社のWebサイトやアプリに導入することができる。



昨今、巨大SNSの集客力・マネタイズ力がますます強まり、ブランドやメディアは巨大SNS上でのビジネス構築の必要性に迫られている。一方「Firework」は、その現状にアンチテーゼを唱え、各ブランドやメディアの自社のドメイン内への集客やマネタイズ強化を支援。自社の将来をコントロールできるようにするという、本来あるべき姿のデジタル戦略を「Firework」が持つ動画マーケティングソリューションにて包括的にサポートしている。



「Firework」は、2022年5月現在、世界で700以上のブランドや小売業者、メディア企業に導入されており、日本においてはアパレルメーカーのヤマト インターナショナルや不動産賃貸仲介のアパマンショップ(Apaman Network株式会社)、メディアにおいては「CLASSY.」「JJ」(光文社)や、「dancyu」(プレジデント社)、「madameFIGARO.jp」(CCCメディアハウス)など多様なクライアントに利用されている。

Loop Now Technologiesはこのほど、ソフトバンク・ビジョン・ファンド2が主導するシリーズBにおいて、およそ1億5000万ドル、日本円にして約190億円の資金調達を実施した。調達した資金をもとに成長を加速させ、企業やブランドがそれぞれの特性や条件に応じて顧客や視聴者と関わり、取引できる分散型インフラとしてデジタル環境を再構築するという、大胆かつ長期的なビジョンを掲げた。短期的には、エンジニアリング、プロダクト、マーケティングにおける人材獲得と、プラットフォーム全体の強化を目指すとしている。

Loop Now Technologies共同創業者兼CEOのVincent Yang氏は、今回の投資により、成長エンジンを最大出力で始動させることができたと延べ、「私たちのコアテクノロジーとビジネスモデルは、すでに多くのお客様に幅広くご活用いただいていることにより実証されています。私たちのビジョンを実現するためのこの資金により、『Firework』は、チームの成長、ユーザーの拡大、テクノロジーの成長など、あらゆる形で進化と成長に全力を注ぐことができ、『Firework』プラットフォームが次世代の顧客体験の最先端の開拓を実現できます」とコメントした。

シリーズBの資金調達ラウンドについて同社は、2021年第1四半期に遡る数々の成功に大きく起因しているとの考えを示した。8兆円に迫る売上高を誇る米国の巨大スーパーマーケットチェーンAlbertsons CompaniesやThe Fresh Market、世界的なマーケティング企業Omnicom GroupのメディアサービスOmnicom Media Groupといった複数の超大型顧客の導入、American Express Venturesとの戦略的投資パートナーシップ、そして数々の著名な経営陣の採用により、「Firework」はまだ始まったばかりの北米のライブコマース市場の獲得競争において、明らかにトップランナーとして台頭してきたとした。

中国では、2021年にライブコマースの売上が3000億ドルを超え、eコマース全体の売上の12%以上を占め、2023年には20%近くに達すると予想されている。一方、北米市場はまだ60億ドル未満で、オンライン販売全体のわずか0.1%にすぎない。そこにあるビジネスチャンスの巨大さは、2017年に同社を立ち上げたときから気がづいており、今も失われていないとの考えを示した。投資家もその価値に注目しており、Loop Now Technologiesは、これまでに2億3500万ドル(約300億円)の資金調達を行っている。

ソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズのパートナーであるLinda Yu氏は、縦型ショート動画とライブコマースは、今やデジタル時代の必須言語であり、消費者がオンラインでブランドや製品に関わる方法を変えていくと述べ、「Fireworkは、企業が動画を利用してWebサイトをソーシャルハブやストーリーテリングハブに変え、顧客とより深く長期的な関係を築けるよう支援するものだと考えています。共同創業者のVincentとJerryはデジタルコマース分野で素晴らしいチームを結成しており、我々は次世代の顧客体験を構築するために彼らと提携できることを嬉しく思っています」とコメントした。なお、買収の一環として、Linda Yu氏はLoop Now Technologiesの取締役に就任する予定となっている。

Loop Now Technologiesの共同創業者兼社長のJerry Luk氏は、同社がソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズを選んだ理由は、eコマース分野における比類なき専門知識や幅広いネットワークなど、数多くくあるとしたうえで、「私たちがソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズを選んだのは、何よりも彼らが共通のビジョンを持っていたからです。『Firework』は、次世代のインターネットを構築・運営するインフラになるという大きな野望を持っており、ソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズはその野望をサポートしてくれます」とコメントした。



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