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自動車世界生産は前年越え確実、部品調達の停滞で今後はどうなる?【メーカー8社の生産台数一覧】

乗用車メーカー8社合計の2021年(1―12月)の世界生産は、3年ぶりに前年を上回りそうだ。21年1―11月期の世界生産台数は前年同期比4・2%増の2141万台。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2020年暦年の実績(2283万台)まで約140万台に迫った。足元の生産回復傾向を踏まえれば、前年超えが確実な情勢だ。21年11月単月は前年同月比6・8%減の220万台だった。

21年は年初から半導体不足の影響が続き、夏以降は東南アジアでの新型コロナ感染再拡大の影響で部品調達が停滞し生産が伸び悩んだ。こうした供給網の混乱に伴う減産影響は日系完成車メーカー以外を含めた「世界で約1000万台の減産になった」(業界アナリスト)との見方もある。22年は「半導体不足の影響が続き、気持ち良く生産は伸びないだろう」(車メーカー幹部)との予想もあり、不透明な状況が続きそうだ。

足元では生産回復の兆しが出ている。11月単月の海外生産はトヨタ自動車が4カ月ぶり、SUBARU(スバル)が6カ月ぶりに前年実績を上回った。トヨタは世界生産が9月を底に11月に前年並みの水準に回復し、「12月は高いレベルの生産計画を見込んでいる」としている。

国内生産ではホンダが4カ月ぶり、ダイハツ工業が5カ月ぶりにプラスとなった。ホンダは「半導体供給影響などが緩和傾向にある」とした。ダイハツは登録車が前年同月比76・3%増の3万台となり、11月単月として過去最高となった。

日産自動車は海外生産が5カ月連続、国内生産が3カ月連続で減少した。ただ米国は同2%増の5万台と2カ月連続で増加。新型車に部品を優先的に供給して生産を増やし、堅調な需要を取り込む動きが見られた。

日刊工業新聞社2021年12月28日

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