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韓国「ホワイト国」復帰、経産省が輸出管理を見直す経緯

経済産業省は先端技術などの輸出管理に関する優遇制度「ホワイト国(現グループA)」に韓国を追加する。2019年に除外したが復帰させる。韓国の輸出管理体制や運用状況について、日本と同水準の実効性が確認できたため。意見公募を経た上で公布、施行する。

経産省は19年7月に、韓国の輸出管理が適切に運用されているか確認できないとして、半導体材料など3品目の輸出管理手続きを厳格化し、ホワイト国から除外した。

23年3月に「19年7月以前の状態に戻すべく、2国間の協議を速やかに行っていく」と発表。政策対話を再開し3品目については、手続きを簡素化できる「特別一般包括許可」の対象にする運用の見直しをしたが、ホワイト国の復帰は検討を続けてきた。

今回、韓国の輸出管理体制や運用状況の実効性を確認でき、復帰を決めた。また、今後も対話を継続し、必要に応じて制度や運用を見直すことで合意した。ホワイト国になると日本から輸出する際の手続きが一層簡素化できる。

対韓輸出管理の厳格化をめぐっては、韓国が元徴用工問題に絡めた報復措置だと反発し、世界貿易機関(WTO)に提訴。これに対し日本政府は元徴用工問題とは無関係だと主張していた。3月に韓国が提訴を取り下げ、政策対話が再開した経緯がある。


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日刊工業新聞 2023年05月01日

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