ニュースイッチ

回復局面の「トラック販売」…不正の影響残る日野自動車は28%減

回復局面の「トラック販売」…不正の影響残る日野自動車は28%減

一部改良し4月に発売した日野自の大型トラック「日野プロフィア」

国内トラックメーカーの販売が、半導体不足などによる生産制約によって台数が減少する状況から、回復局面に移っている。トラック業界関係者がまとめた4月の普通トラック(積載量4トン以上の大型・中型トラック)の販売台数は、前年同月比10・5%増の4294台となり、2カ月連続で前年同月を上回った。2月以前は前年同月割れの状況が16カ月続いていた。「部品不足の影響はかなり解消した」(トラックメーカー幹部)とし計画生産可能な状態に戻る。

企業別では三菱ふそうトラック・バスが前年同月比48・0%増、いすゞ自動車が同42・2%増と大幅増加。一方で日野自動車は2022年3月に発覚したエンジン認証不正問題が響き、同28・3%減で1000台を割り込んだ。日野自を除く3社は直近3カ月(2―4月)の販売台数合計が前年同期を上回った。

日野自は型式指定の取消処分を受けた「A09Cエンジン」搭載の大型トラック「日野プロフィア」の出荷を2月に再開。これにより「今後は前年比で多少のプラスに働くが、不正行為の影響は依然残る」(日野自)と見通す。

年度初めの4月のトラック販売は、年度末に比べ台数が減る傾向にある。ただ、「単月として4294台は決して大きな数字ではなく、半導体不足が起こる前の状態に戻ったわけではない」(同)という。

日刊工業新聞 2023年05月10日

編集部のおすすめ