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実は誤解だらけの「アルコール消毒・除菌」…プロが教える“正しい使い方”

 長引くコロナ禍の中でアルコール製剤は身を守るために、よりなくてはならない存在となった。手指や身の回りのモノを消毒、除菌することでウイルスを減らし、リスクを下げるという習慣は欠かすことができない。  しかし、アルコール製剤を使った消毒や除菌の意識が高まった一方で、「正しく使われていないケースもある」と警鐘を鳴らすのは業務用洗剤やアルコール製剤などを取り扱うセッツ株式会社。  同社の研究グループリーダーとして衛生管理の技術開発に携わり、除菌・ウイルス除去の技術開発を担当する國武広一郎氏に「アルコール製剤にまつわる注意点」について聞いた。

意外に知られていない「アルコール製剤の適正量」

國武広一郎氏

セッツ株式会社の國武広一郎氏

 國武氏が最初に指摘したのは、普段何気なく利用している飲食店やスーパーなどの出入り口に設置されたアルコール製剤の適正量だ。 「ウイルスを除去するには少なくとも1mL以上。できれば3mL程度を手に取るようにしてください。手にすり込むときに、アルコールの作用時間が長ければ長いほど、効果があるという研究結果も出ています。ポンプのストロークを根本までグッと押し込むと、3mLほど出てくるはずです」

アルコール製剤の使い過ぎは問題ない?

 アルコール製剤の適正量は、ハンドスプレーを利用したときも同じ。飲食店で店員がハンドスプレーをかけてくれたとき、少ないと感じた場合は追加をお願いしたほうがいいとのこと。 「アルコール製剤の使いすぎ、かけすぎによる手荒れを懸念される方もいらっしゃいますが、業務中、絶えず手指を清潔に保つ必要がある医療従事者の方などは繰り返しアルコール製剤を利用しています。気になる場合はハンドクリームなどを利用することで対処していただければと思います」
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「アルコールの濃度が高いほど除菌効果が高まる」は誤解
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