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元セクシー女優が引退後に経験した「セクシー女優の後遺症」を暴露

 フリーライターのたかなし亜妖と申します。WEBコラムや映画・漫画レビュー、時にシナリオなどジャンル問わず文章を書く日々です。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。なんとなく入った業界で気づけば2年半が経過したところで、引退を決意しました。  その後は何事もなかったかのようにシレッと昼の世界へ出戻り。ライターになり早4年が経とうとしています。  私は現在、セクシービデオの脚本を書く仕事も行なっています。セクシー女優引退後に通ったシナリオスクールで、そのイロハを学びました。ということで今回は、前回に引き続き、シナリオスクールでどういったことを学んだかなど、シナリオスクールの実態を綴っていきたいと思います。

シナリオスクールの授業内容とは

たかなし亜妖さん

元セクシー女優で現在はフリーライターの「たかなし亜妖」

 シナリオスクールでの授業は1回2時間、休憩は挟まずぶっ通しで講義。ときには規定時間をオーバーする日もあり、先生の熱い想いが伝わった。  序盤は書き方の基本ルールなど座学を中心に進めるが、実践練習に入るまでそう多くの時間を要さない。いくら講義を聞いたところで、手と頭を動かさねば意味がないからだ。  課題は与えられたテーマで短編を執筆するか、あるいは長編大作をイメージしたその一部をシナリオ形式で書き上げること。作品作りを何度か繰り返すのが主な授業内容だった。

アウトラインがなければ執筆は始まらない

 以前、誰かに言われたことがある。 「文章を書く仕事っていいよね。ペペッとやればお金がもらえるんでしょう?」  この発言に対しメロスは激怒した。  必ず、“執筆はラク”と勘違いする人々を除かなければならぬと決意した。メロスには一般感覚がわからぬ。メロスは、元セクシー女優で現・ライターである。  昔はたびたび撮影現場に入りつつ、ナマケモノ時代を経て暮らしてきた(というクズの経歴有)。けれども現職(ライター)を軽視する邪悪には、人一倍に敏感であった。  ……と『走れメロス』の引用を交えた長い前置きになったが、要するにシナリオ執筆は“ペペッ”とできるものではない。考えもなくいきなり文章を書き始めるなどご法度。登場人物や時系列、舞台などあらゆる設定を決めてからアウトラインを作り、落とし込んだところでようやく一息つけるのだ。土台がなければ家は建たないように、骨組みがめちゃくちゃになれば話があちこちに飛んでしまう。  シナリオに限らず、構成作りはどんな文章を書く上でも共通しているだろう。スクールでは初期段階の基礎を固めるべく、土台作りの方法を入念に教えられた。  そもそも“ペペッと”やってすぐにお金がもらえるような世界なら、学校などは今ごろ存在していない。しつこいようだがこの部分はいつだって声を大にして叫びたいものだ。
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物語は徐々に「元セクシー女優の世界観」に…
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