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1日1万円で「新幹線も乗り放題の周遊券」を利用してみた。“東日本一周”の旅が17時間半で実現

―[シリーズ・駅]―
 現在、JR東日本で発売中の『旅せよ平日!JR東日本たびキュン早割パス』(通称『キュンパス』)。利用期間は2月14日~3月14日の平日のみ、14日前までの購入など条件はあるが、1日1万円で同社管内の新幹線・特急を含む全列車とBRTが乗り放題(※指定席は2回まで)。さらに第三セクター鉄道の青い森鉄道線、いわて銀河鉄道線、三陸鉄道線、北越急行線、えちごトキめき鉄道線(直江津~新井間)の各路線も乗り降り自由のかなりお得な切符だ。  今回、筆者は利用開始日の2月14日にキュンパスを利用して乗り鉄の旅に出発。実際にこの周遊券を利用して気づいた点などを交え、旅の様子をレポートする。
キュンパス

キュンパスの切符

指定席が利用できるのは2回まで

キュンパス

東京駅。平日の早朝にもかかわらず鉄道ファンだらけだった

 当日早朝、始発6時8分発の上越新幹線に乗るべく東京駅に向かうと、ホームにはいかにも鉄道ファンという私服姿の男性たちが大勢いる。カメラやスマホで列車を撮りまくり、筆者と同じ車両の列に並んでいた神奈川在住の50代の男性会社員は「この日のために有休を取りました(笑)」と嬉しそうに話していた。  なお、筆者が座ったのは上越新幹線の自由席。冒頭でも少し触れたが、この切符は指定席が2回までとの縛りがあるからだ(※指定席を3回以上利用する場合は、乗車券分のみ有効)。  JR東日本管内を走る新幹線のうち、東北・北海道新幹線の『はやぶさ』『こまち』、秋田新幹線、山形新幹線、北陸新幹線の『かがやき』には自由席がない。加えて、首都圏発着の特急も大半が全車指定席だ。そのため、事前にどういったルートで回るかある程度決めておかなければならず、快速・普通列車が乗り放題の『青春18きっぷ』のような行き当たりばったりの旅は難しそうだ。
キュンパス

新潟駅。乗り継ぎ時間が短く、売店にも行けず

 列車は定刻通り出発したが、前日ほとんど寝ていなかったこともあり、大宮に着く前には爆睡。目が覚めると「次は終点・新潟」という車内アナウンスが。途中の雪景色を見ることができなかった。

冬なのに雪景色がまったくない!

 新潟駅からは在来線の特急『いなほ』に乗り換えて秋田駅へ。到着12分後の発車のため、駅の外をブラブラする時間もない。新幹線を降りた同じホームの反対側からが出発するため、乗り換えは楽だが新潟に来た実感をまったく感じられないまま列車は発車した。  いなほ号は自由席があったが、秋田駅までは約3時間半と長いので指定席を利用。自由席は案の定混雑しており、この選択は間違っていなかったようだ。
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朝食用に食べた米沢名物の駅弁『牛肉どまん中』

 途中、お昼にはまだ早かったがお腹が減ってしまい、車窓の景色を眺めながら東京駅で事前に買っておいた駅弁を食べることに。お供は人気駅弁としても有名な米沢駅名物の『牛肉どまん中』(税込み1350円)。食べたのは10数年ぶりだったがやっぱり美味い。
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車窓から見た冬の日本海

 けど、肝心の景色は北上しても雪がまったくなく、まるで秋のようだ。それでも海沿いの区間が多く、ただ海を眺めているだけで心が癒される。こんな贅沢な時間の過ごし方も悪くないものだ。
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青森ではプチ観光と温泉を堪能
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