独白 愉快な“病人”たち

十二指腸潰瘍穿孔の伴大介さん「腹の中でプチッと音が…」

伴大介さん(C)日刊ゲンダイ

 あの夜は、調子が悪くて早めに寝ていたんだ。ふと寝返りをうったら腹の中で「プチッ」と音がして、「あれ?」っと思って目が覚めた。痛くも何ともなかったけど、普通じゃないことはハッキリ感じて、その瞬間「もうダメだな」と思った。それくらい、あの頃は体調の悪い日々を送っていたからね。

 かれこれ12年前の話になるから細かいことは忘れているけど、当時の年齢は59歳。埼玉のマンションに1人暮らしで、同じ駅の反対側に住む母親の介護と仕事で疲れ切っていた。食事は不規則でたばこは毎日2箱吸っていた。酒は体質的に飲めなかったけど、とにかく生活全般が荒れていた。栄養も何も考えないし、ゲッソリ痩せてしまって太りたくても太れなかった。後から聞いた話だと周囲では「がんじゃないか」とウワサされていたらしい。

 何年も前から胃に痛みはあったものの、介護と仕事に追われてのんびり病院に行く時間がない。「胃薬飲んどきゃいいや」と、市販の薬でごまかして過ごしていたんだ。

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