和田秀樹
著者のコラム一覧
和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

高齢な親を特殊詐欺から守りたいなら、親の寂しさを埋めるように頻繁に連絡を

公開日: 更新日:

 オレオレ詐欺に代表される特殊詐欺の被害が相次いでいます。警察庁によると、昨年の認知件数は1万9033件、被害額は441億円。どちらもその前の年に比べて8.3%、19%も増加しています。1件当たりの被害額は、約240万円に上りますから、かなり深刻でしょう。

 そのうち65歳以上の高齢者が占める割合は、78%と8割近い。さらに被害者を欺くツールとして使われたのは77%が電話でした。特殊詐欺のうち還付金詐欺と対面型に限ると、電話の使用率は99.9%です。

 こうした詐欺には、予兆電話があって、事前にターゲットとなった高齢者に電話をかけ、住所、氏名のほか、資産の状況や金融機関の情報など個人情報がチェックされるといいます。手口はかなり報道されていますから、親と離れて住む子供は「おかしな電話には、絶対に出ないでね」と事あるごとに口を酸っぱくして親に伝えたりしているでしょうが、被害者が減りません。

 なぜか。高齢者がだまされる背景には、寂しさが影響していると思います。高齢者が寂しさを感じていると、たとえ見知らぬ人であっても、親切にされたり、気遣われたりすると、うれしく思い、「お返しに相手も喜ぶことをしてあげよう」という考えに至ることは少なくありません。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大阪万博批判は出尽くした感があるが…即刻中止すべき決定版が出た

    大阪万博批判は出尽くした感があるが…即刻中止すべき決定版が出た

  2. 2
    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

    「悠仁さまに一人暮らしはさせられない」京大進学が消滅しかけた裏に皇宮警察のスキャンダル

  3. 3
    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

    木村拓哉「Believe」にさらなる逆風 粗品の“あいさつ無視”暴露に続き一般人からの告発投稿

  4. 4
    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

    香川照之「團子が後継者」を阻む猿之助“復帰計画” 主導権争いに故・藤間紫さん長男が登場のワケ

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  2. 7
    浜辺美波は順風満帆、趣里は「ブギウギ」のインパクトが…NHK朝ドラヒロイン“その後の明暗”

    浜辺美波は順風満帆、趣里は「ブギウギ」のインパクトが…NHK朝ドラヒロイン“その後の明暗”

  3. 8
    仲野太賀に注目!NHK朝ドラ「虎に翼」で寅子と結婚…そして、もうすぐ“優三ロス”が起こる

    仲野太賀に注目!NHK朝ドラ「虎に翼」で寅子と結婚…そして、もうすぐ“優三ロス”が起こる

  4. 9
    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚

    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚会員限定記事

  5. 10
    山下智久「ブルーモーメント」急失速は出口夏希の中国語が原因? 興奮すると飛び出す“ナゾ設定”

    山下智久「ブルーモーメント」急失速は出口夏希の中国語が原因? 興奮すると飛び出す“ナゾ設定”