Sports otto!
【辻発彦さんコラム】西武ドラフト1位左腕・武内夏暉の初勝利に感じた可能性 そして、よみがえった2年前の記憶
2024.04.24 11:00(Updated:2024.04.24 11:00)
辻発彦さんコラム「一所懸命」❽
プロ野球が開幕して1カ月近くたちました。パ・リーグは強力打線のソフトバンクが首位で、4連覇を目指すオリックスも最初は苦しみましたが、徐々に力を発揮しています。西武も7連敗があったとはいえ、先発の駒はそろっているので盛り返してくれるでしょう。
西武投手陣の中で気になる存在が北九州市出身で、ドラフト1位入団の武内夏暉です。プロ初登板で初先発だった3日のオリックス戦(ベルーナドーム)を球場で解説しました。7回1安打無失点、85球でのプロ初勝利は圧巻の内容でした。
コントロールが良いので、打者に対してファーストストライクを取って優位に立つんですね。150キロ前後の真っすぐは、球速以上に打者が差し込まれている印象でした。同じ左投手の和田毅(ソフトバンク)を意識しているようで、球の出どころが見づらいのかもしれません。
マウンドでは堂々としたイメージ
開幕前に話を聞く機会があって、性格はおっとりしている感じでしたけど、マウンドではイメージが違って堂々と投げていました。プロ2戦目の10日のロッテ戦(ベルーナドーム)も勝敗こそ付きませんでしたが、7回4安打2失点と上々の内容でした。
西武の監督だった2022年、ドラフト1位で西日本工大(福岡)から隅田知一郎が入団してきました。武内が3球団の抽選で獲得した逸材ならば、長崎県大村市出身の隅田も4球団が競合した話題の投手でした。九州出身の大卒左腕という共通点もあります。
【次ページに続く】苦しい経験を生かして