のめり込んだハコスカチューンの世界|1970年式 日産 スカイラインGT Vol.2

今となってはリアのみにオバフェンを付けたこのルックスが気に入っている。

       
【1970年式 日産 スカイラインGT Vol.2】

【1】から続く

「その頃は、旧車専門のスピリットガレージさんに何度もアシを運んでいました。私の強い思いが通じたのか、翌月にハコスカが1台あがってくるという情報をいただいたんです」。

 そうしてオーナーさんの元にやってきたGC10。L26型を換装した公認車であったこのハコスカは、エンジンOH済みで、新品のソレックス44PHHも装着。前後スポイラーやグリル、オーバーフェンダーも装備していた。

 当時はまだ独身であった福田さんは、すぐさまハコスカチューンの世界にのめりこんでいく。やがてはサーキット走行にも目覚めたが、どこかが壊れる前に早めの修理を心掛けていたお陰で、大きく調子を崩した記憶は一度もない。

「これまでエンジンをL28型3.1L改フルチューンに積み換えるなど、地道にアップデートしてきました。足回りも自分好みのフィーリングを求めて計3回ほど交換しましたね」。そんな努力のかいもあり、現在はストレスフリーな走りを満喫できるという。

 また、GT‐R仕様ながら、内・外装については、シートや内張、ミラー、ガラスにいたるまで、R用の純正パーツに交換しているのがポイント。現在は本物のRかと思えるほど、完ぺきなR仕様に仕上がっている。




14インチ〜16インチまで試し、15インチに落ち着いたホイールサイズなど【写真23枚】

1970年式 日産 スカイラインGT(KGC10)
SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:フロントスポイラー、リアスポイラー、全面白ガラス/カーボンボンネット/HIDヘッドライト
■エンジン:L28型改3.1L仕様、N42ヘッド(76度カム、ビッグバルブ化、燃焼室形状変更、クロモリリテーナー、ロッカーアーム軽量加工、バルブコッター加工)、φ89.5mmピストンキット、E88コンロッド、クランク加工・修正、オイルパン加工/ソレックス44PHH/ニスモ燃料ポンプ/スピリットガレージ製φ48mmステンタコアシ、φ50mmデュアルマフラー/永井電子MDI
■冷却系:アルミ3層ラジエーター/セトラブ・オイルクーラー
■駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ/71Bミッション/R200LSD(ファイナル4.1)
■足回り:スピリットガレージ車高調キット/arcスタビライザー(前後)/ピロテンションロッド/ロワアーム延長
■ブレーキ:(F)APレーシング製4ポットキャリパー/BNR32純正ローター(R)アルフィンドラム
■タイヤ:(F)ブリヂストン・ポテンザRE11 195/50R15 (R)ポテンザRE01 225/50R15
■ホイール:RSワタナベ(F)15×7J+15 (R)15×10.5J−32
■内装:純正GT-R用シート、内張り、タコメーター、油圧メーター/大森追加メーター(油温、油圧、水温)/ダッツンコンペステアリング/レース用ワイドミラー/3点式ロールバー


【3】に続く





メッキ仕上げのヘッドカバーをはじめ、各部が磨き上げられた珠玉のエンジンは、L28型改3.1L仕様。燃焼室加工や各部バランス取りなどを施したフルチューンで、現在の仕様は、少なめに見積もっても250〜260psは出ているそうだ。





キャブレターはソレックス44PHH。セッティングもバッチリ決まっており、スムーズに吹け上がる。燃料ホースがキレイにまとまるように製作した2ピース構造のステーは福田さんが自分でデザイン&加工をしたもの。プロ顔負けの仕上がりだ。





ヘッドライトは、純正のシールドビームから今どきのHIDに変更。格段に明るくなっている。絶対的なパワーよりも、仕上がりの美しさにコダワっている。



初出:ノスタルジックスピード 2015年11月 Vol.008 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 日産 スカイラインGT(全3記事)

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text:HIROSHI SHOMATSUMOTO/正松本 宏 photo:RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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