コツコツ仕上げたL28型改3.1Lは、日常に感動と喜びを与えてくれる|1970年式 日産 スカイラインGT Vol.3

20年分の愛情が詰まったR仕様!

       
【1970年式 日産 スカイラインGT Vol.3】

【2】から続く

 一歩ずつ完成度を高めてきたハコスカだが、結婚を機にサーキット遊びは卒業し、今は走るよりクルマを磨いている時間のほうが長い。速くするための改造よりは、見た目をカッコよくすることに情熱を注ぐ。

「さすがに20年も乗っていると違う雰囲気にもしてみたくて……。カーボンボンネットを付けたり、灯火類をHID&LED化して楽しんでいます」。

 このように、ハコスカイジリを存分に満喫してきたオーナーさんだが、忘れられない出来事がある。それはある日、信号待ちをしていた時のこと。中学生のふたり組みが写真を撮らせてくださいと声をかけてきたのだ。

 もちろん快諾したそうだが、愛車にカメラを向けて大喜びするふたりを見て、クルマ好きであった自身の少年時代と思いが重なり、うれしくなったそうだ。こうした出会いがあるのも、愛情を込めて仕上げてきたハコスカならではともいえるだろう。

「このクルマを通じて出会った仲間は何にも変えがたい財産」という福田さんだが、ハコスカのまだ完成度は半分にも満たないとも語る。次なる目標はボディのフルレストア。そうした情熱を引き起こさせるのも、ハコスカの魔力といえるのかもしれない。

OWNER’S VOICE

 ハコスカを手に入れて20年間、愛車に対するモチベーションはまったく変わらないというオーナーさん。第2世代のRが中心の『GT-Rクラブ群馬JCCA』に所属し、ツーリングなどを楽しむ。ちなみにL28改3.1Lにしたのは、若い頃の憧れから。7〜8年前に主治医であるスピリットガレージにて組み上げた。L26型の加速と比べても、あまりの違いに驚いたそうだ。また、デフはR200改でファイナルも4.1に変更済み。ローギアード化しているのも、加速力の向上にひと役買っている。




メッキ仕上げのヘッドカバーをはじめ、各部が磨き上げられた珠玉のエンジンなど【写真24枚】



1970年式 日産 スカイラインGT(KGC10)
SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:フロントスポイラー、リアスポイラー、全面白ガラス/カーボンボンネット/HIDヘッドライト
■エンジン:L28型改3.1L仕様、N42ヘッド(76度カム、ビッグバルブ化、燃焼室形状変更、クロモリリテーナー、ロッカーアーム軽量加工、バルブコッター加工)、φ89.5mmピストンキット、E88コンロッド、クランク加工・修正、オイルパン加工/ソレックス44PHH/ニスモ燃料ポンプ/スピリットガレージ製φ48mmステンタコアシ、φ50mmデュアルマフラー/永井電子MDI
■冷却系:アルミ3層ラジエーター/セトラブ・オイルクーラー
■駆動系:OS技研製ツインプレートクラッチ/71Bミッション/R200LSD(ファイナル4.1)
■足回り:スピリットガレージ車高調キット/arcスタビライザー(前後)/ピロテンションロッド/ロワアーム延長
■ブレーキ:(F)APレーシング製4ポットキャリパー/BNR32純正ローター(R)アルフィンドラム
■タイヤ:(F)ブリヂストン・ポテンザRE11 195/50R15 (R)ポテンザRE01 225/50R15
■ホイール:RSワタナベ(F)15×7J+15 (R)15×10.5J−32
■内装:純正GT-R用シート、内張り、タコメーター、油圧メーター/大森追加メーター(油温、油圧、水温)/ダッツンコンペステアリング/レース用ワイドミラー/3点式ロールバー



赤いエンブレムやホーンボタン、シフトノブもR用の純正品。細かいところまで妥協なく仕上げている。





普段は日が当たらないガレージに保管していることもあり、インテリアも抜群のコンディションを保つ。純正のR用パーツをフル移植したのがコダワリだ。センターコンソール下部には、大森メーターの水温、油温、油圧計が違和感なく収められる。



初出:ノスタルジックスピード 2015年11月 Vol.008 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 日産 スカイラインGT(全3記事)

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text:HIROSHI SHOMATSUMOTO/正松本 宏 photo:RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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