2T-G型ツインカムエンジンを搭載したホットセダン|1973年式 トヨタ カリーナ1600 GT 4ドア Vol.1

カリーナはマイナーチェンジごとに、フロントグリルのデザインが少しずつ変化する。1972年12月のセダンGT 4ドア登場時にこの表情となり、1974年1月にポジションランプがヘッドライトの間に移る。

       

【1973年式 トヨタ カリーナ1600 GT 4ドア Vol.1】

 1970年12月のデビューは、ダルマの愛称で親しまれている初代TA20系セリカと同時。クーペボディのセリカに対して、セダンボディを与えられたのが初代TA10系カリーナとなる。プラットフォームやパワートレーンの基本は両車共通だが、ボディの架装で別のクルマに仕立てている兄弟車だ。

 クーペのセリカ、セダンのカリーナという性格付けによって、登場時の印象はかなり地味なクルマだった。実際にエンジンは1.6Lの2T(‐B)型と1.4LのT型のともにOHVエンジンだけの設定で、DOHCの2T‐G型搭載のGTが最初からあったセリカとは、明確に区別されていた。

エアクリーナーケースもオリジナルのエンジンルームなど【写真21枚】

 そんなカリーナに2ドア1600GTが設定されたのは、1971年4月のこと。

2T‐G型エンジンを搭載し、GTであることをアピールするサイドストライプも付けられていたが、スポーティー志向のクルマ好きに対しての印象は、決して強くなかったようだ。

 そんな人気車への階段を上ることができなかったカリーナが、一転して注目されるようになったのが、1972年12月の2ドアハードトップの新設定だった。「足のいいやつ。」をキャッチフレーズに、テレビCMやカタログのキャラクターとして、人気アクション俳優だった千葉真一を起用。このキャンペーンによって、カリーナの名は世の中に一気に広まった。

 その同じタイミングで4ドア1600GTも加わり、ホットセダンが登場したのだ。



燃料給油口は、左側のCピラーにある。ちなみにデビュー当初の前期型では、リアバンパー上にガーニッシュ付きのふたがあり、その中に給油口があった。





ホイールは13インチのRSワタナベ製Bタイプを装着。タイヤは前後とも175/70R13のヨコハマES300を選択している。





トランクリッド右側には、5速MTとグレードを示すエンブレム。

1973年式 トヨタ カリーナ1600 GT 4ドア(TA12)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4155mm
全幅 1570mm
全高 1385mm
ホイールベース 2425mm
トレッド前/後 1280/1285mm
最低地上高 170mm
車両重量 980kg
乗車定員 5名
最高速度 180km/h
登坂能力 tanθ0.57
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 2T-GR型
エンジン種類 水冷直列4気筒DOHC
ボア×ストローク 85×70mm
総排気量 1588cc
圧縮比 8.8:1
最高出力 110ps/6000rpm
最大トルク 14.0kg-m/4800rpm
変速機 前進5段・後退1段、オールシンクロ
変速比 1速 3.587/2速 2.022/3速 1.384/4速 1.000/5速 0.861/後退 3.484
最終減速比 4.100
燃料タンク容量 50L
ステアリング形式 リサーキュレーティング・ボール式
サスペンション前/後 ストラット型独立懸架方式・コイルスプリング/4リンク・ラテラルロッドつきコイルスプリング
ブレーキ前/後 ディスク/リーディング・トレーリング
タイヤ前後とも 6.45-H13-4PR
発売当時価格 83.8万円

【2】【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2015年 08月 Vol.170 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 トヨタ カリーナ1600 GT 4ドア(全3記事)

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photo : KAZUHISA MASUDA/益田和久

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