かなりシャープなハンドリングも披露する、世にいう「アイアンバンパー」モデル【3】1972年式 シボレー コルベット スティングレイ

アメリカの誇りを守るため、孤軍奮闘した3代目コルベット

       
1968年から1982年まで生産されたロングセラー、3代目コルベット。
中でも、エンスージアストが珍重する「アイアンバンパー」は、アメリカンドリームに世界があこがれた時代の象徴。
そのかたわらで、リアルスポーツとしての資質も備えていた。

【輸入車版懐古的勇士 1972年式 シボレー コルベット スティングレイ Vol.3】

【2】から続く

 今回紹介する1972年式コルベット・スティングレイは、350キュービックインチ(5.7L)のV型8気筒OHVエンジンを3速ATと組み合わせた、世にいう「アイアンバンパー」モデル。近年日本上陸を果たす直前にフルレストアが施され、機関/内外装ともに良好なコンディションを誇る1台である。加えて、シャシー/エンジンはアメリカ車では特に重要視されるマッチングナンバー。センターコンソールに設置されたAMラジオは、GM傘下の「ACデルコ」社製純正品。しかも、取扱説明書や工具類もオリジナルのものが残されるなど、コレクターズアイテムとしても最上級に属するC3コルベットといえるだろう。

 まだパワーダウンを強いられる前のスモールブロックV型8気筒は、火を入れた瞬間からFRPボディ全身を震わせ、本格派スポーツカーに乗っていることを実感させる。ちまたでは「直線番長」と思われがちだが、その実かなりシャープなハンドリングも披露する。「スポーツカー冬の時代」をアメリカ代表として生き抜いたC3は、実は連綿と続く新型にも継承されるリアルスポーツとしての資質をもしっかり備えていることが理解できたのである。

>> 【画像17枚】心臓部はもちろんV型8気筒OHV。1972年モデルまでは7L「ビッグブロック」も選択できたが、この個体は「350(5.7L)」を搭載






英国旧車の博物館 ワクイミュージアム

埼玉県加須市のワクイミュージアムは、輸入車販売会社ワク井商会によって開設された個人ミュージアム。イギリスを代表するロールス・ロイスとベントレーのクラシックカーが集められており、現存する最古のベントレーも収蔵されている。




●ミュージアム
〒347-0010
埼玉県加須市大桑2-21-1
TEL 0480-65-6847
営業時間11:00~16:00
開館日 : 土・日曜

●㈱ワク井商会
〒113-0032
東京都文京区弥生2-10-11
TEL 03-3811-6170
営業時間10:00〜18:00
定休日 : 水曜


1972年式 シボレー コルベット スティングレイ
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4636×1753×1217
ホイールベース(mm) 2489
トレッド前/後(mm) 1491/1509
車両重量(kg) 1552
エンジン型式 スモールブロック型
エンジン種類 V型8気筒OHV
総排気量(cc) 5733
最高出力(ps/rpm) 304/4800
最大トルク(kg-m/rpm) 52.5/3200
ボア&ストローク(mm) 101.6×88.39
圧縮比 10.25:1
サスペンション 前ダブルウイッシュボーン/後トレーリングアーム
ブレーキ形式 前ベンチレーテッド ディスク/後ソリッドディスク
タイヤサイズ F70-15



【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年6月号 vol.187
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1972年式 シボレー コルベット スティングレイ(全3記事)

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【1】【2】から続く

text:HIROMI TAKEDA/武田公実 photo:DAIJIRO KORI/郡 大二郎

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