【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER

千葉ジェッツとミクシィが資本提携。
新アリーナ建設で“100年続く”礎を。

posted2019/04/15 19:15

 
千葉ジェッツとミクシィが資本提携。新アリーナ建設で“100年続く”礎を。<Number Web> photograph by B.LEAGUE

4月14日のアルバルク東京戦に勝利し、リーグ最多勝を50勝に更新。2年連続で東地区優勝も決めた。

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島田慎二

島田慎二Shinji Shimada

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 私が千葉ジェッツを運営する株式会社ASPEの社長に就任したのは2012年のことです。当時、ジェッツは経営不振で存続が危ぶまれており、経営再建に着手し、7期連続ほぼ増収益で迎えた8期もその勢いのまま成長発展を遂げてきました。

 昨季は総観客動員数は15万人を突破しリーグ1位、売上高は約14億(前年比156%)、経常利益も約9千万円(前年比234%)とほぼすべての経営数値において、目標値を大きく上回ることができました。昨季は東地区優勝、チャンピオンシップ準優勝とチームも強くなり、周囲の方々からはBリーグトップクラスのクラブだと呼ばれるようになりました。

 私はクラブの経営理念でもある“千葉ジェッツを取り巻く全ての人たちと共にハッピーになる”の実現、“100年続くクラブを作っていく”ことを視野に入れた上で、常々何をすべきかという観点で経営を行なっています。

アリーナの建設は無視できない。

 ここ数年、クラブ、バスケット界のさらなる発展が必要不可欠で、そのためにも第2の成長フェーズに向けて動き出し、もう1ステージ上がっていかなければならないと考え始めるようになりました。

 アジア、世界に通用するクラブを目指し、今回、我々が中長期新成長戦略で打ち出したのがアリーナの建設です。

 沖縄ではすでに1万人規模の多目的アリーナの建設計画が進められていますが、今後も同等規模のアリーナが出現する可能性は十分に考えられます。

 現在、千葉ジェッツは毎試合平均で5000人観客を動員しており、物理的にこれ以上の動員数は不可能です。もちろん、チケット単価を上げる策も考えられますが、我々のクラブの持続的な成長を視野に入れ、打つべき手を考えると、やはりアリーナの建設は無視できない案件でした。

 現在、日本のスポーツ施設は行政がアリーナを作って運営する公設公営タイプが主になっていて、現状ではあらたな箱物投資に対してはアゲインストの状況で、簡単には建設することができません。

 では、このまま現状でやり続けるのか、それとも他の手段を考えるのか――。

【次ページ】 クラブが建てるというチャレンジ。

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