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東京五輪を前に人生初の骨折「しゃあないなぁ」西武浮上のカギを握る外崎修汰に期待したい“予想外の一発”

posted2021/09/14 11:02

 
東京五輪を前に人生初の骨折「しゃあないなぁ」西武浮上のカギを握る外崎修汰に期待したい“予想外の一発”<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

シーズン序盤のアクシデントもあったが、徐々に復調の兆しを見せる外崎修汰。チーム浮上の鍵を握っている

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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Sankei Shimbun

 9月12日現在、4位と4ゲーム差の5位と、今シーズンは苦しい戦いが続いてきた埼玉西武ライオンズ。開幕直後、山川穂高や外崎修汰などの主力が故障で離脱したことや、中断期間以降もなかなかクリーンアップを固定できないことが成績不振に大きく響いている。

 シーズン後半の追い上げが期待されるチームにあって、まず、欠かせないのが前出の山川、外崎らの復調だろう。

 そんな中、外崎はここ4試合連続でヒットを記録し、12日のオリックス戦ではシーズン初となる4番に座るなど、復調の兆しを見せている。

「シーズン前は低く、鋭い打球を打つことを目標に練習してきたんですけど、今は打球よりも、打席でのタイミングの取り方とか、ボールへの体の入り方を意識していますね」

 外崎のバッティングについて、赤田将吾打撃コーチに話を聞いた。

「外崎の魅力は何といっても初球からしっかり振れる思い切りの良さと、予想外の一発です。それが去年の終わりくらいから、ヒットが欲しいがために、強く振るよりうまくボールにコンタクトしようというスイングになってしまっていました。そのせいで、うまく外野の間に落ちるようなヒットは出たとしても、外野の頭を越すような彼本来のバッティングが影をひそめてしまっていました」

赤田コーチ「徐々にいい打席が増えている」

 東京オリンピックの中断期間に行われたエキシビションマッチの阪神戦。赤田コーチと話をした外崎は試合途中、室内練習場に場所を移し、打撃マシンに向かった。ペナントレースが再開した8月13日からはトップバッターとして試合に出場。「徐々に内容のいい打席が増えている」と赤田コーチは語る。

 外崎も言う。

「思い切って行けている感覚は、あります。ただ、1番を打っているときは難しい。特に一打席目は悩みますね。監督やコーチにも相談したんですが、ボールをじっくり見ていくべきなのか、と……。僕自身は初球から振っていくタイプなんですが、そこで万が一、1球でアウトになってしまったら2番を打つ打者の負担が増えてしまいます。(当時)2番を打つゲン(源田壮亮選手)が、制約が多い中で打席に立つことになってしまいますから、自分の気持ちだけで打ちに行っていいときと悪いときとがあると痛感しました」

【次ページ】 「外崎修汰の1番」を探して行こう

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