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OTV報道部

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2023年3月 沖縄ニュースまとめ 沖縄テレビ報道部が8つのニュースをピックアップ

OKITIVEでは月に1度、政治・経済・事件・事故・スポーツ・文化などすべてのカテゴリーのなかから、沖縄テレビ報道部がOTVの8チャンネルにかけて8つのニュースをピックアップして、振り返ります。

目次

①東京五輪金メダル 空手・喜友名諒が引退会見

金字塔を打ち立てた男が語った感謝の言葉 喜友名諒「幸せな選手生活だった」

東京五輪金メダル 空手・喜友名諒が引退会見

東京オリンピックの空手・形で金メダルに輝いた喜友名諒さんら3人が引退会見し、切磋琢磨できる仲間たちがいてここまで来られたとこれまでの競技人生を振り返った。

喜友名諒さん
「どこにもない幸せな選手生活を送ることができた、仲間達がいて自分はここまでやってこられた」

喜友名諒さんは2021年の東京オリンピックで金メダルを獲得し、世界選手権でも前人未踏の4連覇を果たすなど金字塔を打ち立てました。

喜友名さんは共に現役を引退した金城新さん、上村拓也さんと小学校の時から切磋琢磨し、団体形で世界選手権を連覇するなど沖縄空手・劉衛流の真髄を世界に示してきた。

3人は去年のアジア大会で6連覇を成し遂げたあと「全てを出し切ることができた」と引退を決めたことを会見で明らかにした。

競技には区切りをつけますが、3人は空手の道を極めるべくこれからも鍛錬に励み後進の育成に力を注ぎたいと抱負を語った。

②陸自石垣駐屯地開設 ミサイルが搬入され 運用体制整う

南西シフトの大きな節目 陸自・石垣駐屯地が開設

陸自石垣駐屯地開設へ ”意思を示す機会”求めて

陸上自衛隊駐屯地発足に揺れる石垣島 配備容認する保守層の懸念とは

陸自石垣駐屯地開設 ミサイルが搬入され 運用体制整う

防衛の空白地域を埋めるとして政府が進めてきた陸上自衛隊配備。3月16日に石垣島に陸上自衛隊の新たな駐屯地が開設された。

与那国島、宮古島に次ぐ開設で、陸上から艦艇を攻撃する地対艦ミサイルや上空の脅威に対処する地対空ミサイルを運用する部隊など隊員約570人、車両200台が配置される。

この日、石垣市役所では陸上自衛隊第15旅団の井土川陸将補が中山市長に石垣駐屯地の開設を報告した。
中山市長は「奄美以南の南西諸島の防衛の形がこれで形が整ったと思う」と記者団に答えた。

中国を念頭にした自衛隊の配備は抑止力を期待する声だけでなく島が標的にされるという懸念の声もあがる。また、安保関連3文書の改定による反撃能力の保有にともない2022年市議会は長射程ミサイル配備に反対する決議を行っている。

玉城知事は「本来なら開設の前に住民に対する十分な説明、行政に対する計画の内容をあらかじめ説明をしておくべきなのが筋ではないかと」述べた。

駐屯地開設の2日後には、時停滞の配備に反対する市民が声をあげるなか、石垣港に陸揚げされたミサイルなどの弾薬を乗せたトラックは駐屯地に運び込まれ運用体制が整った。
4月2日には開設記念式典が開かれる

③那覇市議会議長 5000万受け取り問題で議長職辞職

5000万円収受疑惑の那覇市議会議長が辞職 これで幕引き?

那覇市議会議長 5000万受け取り問題で議長職辞職

那覇市の市有地の交渉を巡り、不動産業者から現金5000万円を受け取った久高友弘議長について、那覇市議会は議長職の辞職を全会一致で認めた。
政治と金を巡る疑念は払しょくされておらず、有識者は「説明責任が果たされず、議会の信頼をも揺るがす」と指摘する。

那覇市議会の久高議長は、一般女性が所有権を主張している市有地の交渉をとりまとめる名目で2021年不動産会社の代表から現金5000万円を議長室で受け取った疑いがもたれている。

久高議長は市有地を調査する費用として現金を受け取ったことを認めたが、那覇市が公開する2021年度の政務活動費収支報告に市有地の調査に関する記載はない。

議長は市議会に対し、現金は一般女性の後見人が管理していて何に使われているかわからないと説明したが政治とカネの問題などに詳しい専門家は、疑念は残ったままと指摘する。

全国市民オンブズマン連絡会議代表幹事浅井亮弁護士
「金の受け渡しが議長室でされたなかで、市民としては議会や市の行政に影響を及ぼすためだったんじゃないかと疑念が残る」「議員という立場である以上は説明責任がある」

久高議長は、「一身上の都合」を理由に議長職の辞職願を提出し、7日の市議会では全会一致で議長職の辞職が認められた。
ところで、久高議長は本会議を欠席し姿を見せなかった。

全国市民オンブズマン連絡会議代表幹事浅井亮弁護士は「議会としても積極的に説明責任を果たしていくために本人に大して説明を求める姿勢があってもいいと思う」と述べたほか、真相が解明されないまま幕引きされれば議会や行政運営の信頼を揺るがすことになると指摘する

那覇市議会ではこの問題を受けて、市民が議員の資質などを問うことができる政治倫理条例を制定にむけて17日に特別委員会を設置した。条令は6月議会での成立を目指す

④「県民の台所」新・牧志公設市場がオープン

マチグヮーがリニューアル 第一牧志公設市場の新施設オープン 那覇・沖縄

「県民の台所」新・牧志公設市場がオープン

「県民の台所」として、また、人気の観光地として、長年親しまれてきた那覇市の第一牧志公設市場が3年9か月ぶりに開店の日を迎え、待ちわびていた多くの人々が訪れた新市場は活気に満ちた初日となった。

新しい市場は3階建てで、1階には精肉や鮮魚などを扱う店、2階には食堂など、あわせて84店舗が軒を連ねる。午前10時から行われたオープニングセレモニーのあと、カメラマンも身動きが取れないほどの大勢の地元客や観光客が開店と同時に詰めかけた。

精肉店で働く人
「もうこんなに人手がいっぱいなのも初めての経験なので嬉しいです」「沖縄の食文化の発信もそうですし、やっぱり人と人との相対売りの良さ、そこを大事にしていきたいと思います」

買い物客
「(新市場は)すごい設備も綺麗で、何かイメージが全然違うんですね今までと、とても良いです活性化してほしいですね」

時代の流れとともに、郊外の商業施設が増え、地元客が中心商店街から離れていく中、かつての賑わいを取り戻したいと粟國智光組合長は意気込んでいる。

粟國智光組合長
「マチグヮー全体が、今後地元のお客さんとどのように繋がり交流して、どのように地元回帰を目指すっていうのは課題かなと思います」

沖縄の食文化の発信地として、コロナ禍で打撃を受けた沖縄観光の復活やマチグヮーの活性化を担う新しい公設市場の新たな歴史が幕を開けた。

⑤首里城正殿の向拝柱が熊本から到着

長崎で調達し熊本で加工 各地の協力を得て首里城の「顔」となる木材を搬入

首里城正殿の向拝柱が熊本から到着

2026年度に完成を目指す首里城正殿。その顔ともいえる4本の向拝柱に使われる木材が熊本県から運ばれ14日首里城の木材倉庫に搬入された。

首里城の木材倉庫に到着したのは長さおよそ5.5メートル直径40センチのイヌマキの木材。搬入された木材は首里城正殿の正面、4本の向拝柱に使用されることになっている

向拝柱は鮮やかな漆塗りに金龍や瑞雲などが施されたまさに「正殿の顔」となる柱。国や県は30年前の復元でも使用されたイヌマキを探したが県内では見つからず、県から協力を求められた熊本市にある黄檗建設の黄檗賢二社長がこれまでの人脈を活かし、長崎県でイヌマキの大木7本を見つけた。

黄檗賢二社長は、熊本県で(首里城再建)プロジェクトの仕事ができ、それが一番嬉しいと話す。

向拝柱として使うには大きさだけでなく、強度や含水率などの基準を満たす必要があり、職人が加工したあとおよそ1年間かけて自然乾燥が行われた。

福井県出身の宮大工山本信幸さんは「(木材は)素晴らしいと思う、前回の復元にも関わっていて、あの当時も向拝柱の4本を集めるのにかなり苦労した」「正殿の顔となる唐玻風を支える正面の4本の柱になります」と話す

丁寧に加工されたイヌマキの大木は地域の人々に見送られ熊本を出発し、14日に那覇に到着した。今回運ばれた7本のうち特に質の良いとされた4本が向拝柱として使われる。

⑥高校生が企画 ティラノサウルスレース

砂浜を疾走するティラノサウルス 企画したのは高校生

高校生が企画 ティラノサウルスレース

恐竜の着ぐるみを着て走る速さを競うその名も「ティラノサウルスレース」が3月5日豊見城市で開かれた。

恐竜の着ぐるみを着て砂浜を疾走するこのユニークなレースは県外でも開催され話題となっていた。企画したのは昭和薬科大学附属高校の3年生たちでSNSやビラ配りで参加者を募り企業を回って費用を集めた。

昭和薬科大学附属高校3年川畑未月樹さんは、自分たちが思った規模以上のイベントになっていてびっくりもしつつ嬉しい気持ちですと話した。

川畑さんたちはイベントを通して生活に困っている人たちを支援したいと考え、レースの参加者に家庭で余った食品や日用品を持ち寄るよう呼びかけるフードドライブも行った。

昭和薬科大学附属高校3年川畑未月樹さん
「他県と違ってオリジナリティを組み込みたいということで、県内の貧困問題に向き合えるきっかけづくりになればと考えて、経済的な理由で子どもたちが自分の将来を狭めるような社会を無くしたい」

春のビーチを盛り上げた”県内初”の恐竜レースには高校生の熱い思いが込められていた。

⑦うるま市議選 当落入れ替わる?異例の事態

票を数え直すと”当落逆転” うるま市議選で異例の事態

うるま市議選 当落入れ替わる?異例の事態

2022年に実施されたうるま市議会の議員選挙を巡り、県選挙管理委員会は票を数え直した結果、得票の判断を変更し最下位で当選した議員の当選を無効とする決定を下した。これによって当選議員が入れ替わる可能性がある異例の事態となっている。

2022年10月に実施されたうるま市議会議員選挙では、最下位で当選した天願浩也議員の得票が876票だったのに対し、伊礼正さんが874票と2票差で次点となった。

伊礼さんは結果が僅差だったことから、うるま市選挙管理委員会に票の数え直しを申し出たが、市選管は「開票事務は適正に執行された」として棄却した。

この結果を不服とした伊礼さんは、公職選挙法に基づき県選挙管理委員会へ申し出たところ、他の候補者に投じられた2票と無効票と振り分けられた2票の計4票が伊礼さんに投じられた票であることが認められた。
これによって県選挙管理委員会は伊礼さんの票を878票とし、天願議員の876票を上回ったことから得票順位を入れ替えて天願議員の当選を取り消す裁決を行った。

県選管によると票の数え直しによって当選者と次点の候補者の得票数が逆転するのは、県内では1990年の伊良部町議会議員選挙以来で異例の事態となっている。

次点で落選した伊礼正さんは、「今一度私も心底納得したいそういう材料が欲しいという思いから再検票までお願いした」と話す

当選を無効とされた天願議員が県選管の裁決に不服がある場合は、30日以内に高等裁判所に提訴することができる。

天願浩也議員は「率直な気持ちは大変驚いている」「自分も支援者がいるのでマイナスなイメージは持たずにプラスに考えてどうしていくかというのは考えています」と取材に答えた。

裁決が確定すれば当選者が入れ替わって天願議員が失職する可能性があり、天願議員は「提訴するか弁護士と相談して決めたい」としている。

⑧沖縄戦で住民の集団自決 渡嘉敷村で4年ぶり慰霊祭

悲劇二度と 強制集団死が起きた島で慰霊祭

命を救った母の言葉 家族を手にかけた悲劇を語る理由

沖縄戦で住民の集団自決 渡嘉敷村で4年ぶり慰霊祭

78年前の沖縄戦で住民の強制集団死、いわゆる集団自決が起こった渡嘉敷島で28日4年ぶりとなる慰霊祭が執り行われ住民や犠牲者の遺族が平和への祈りを捧げた。

1945年3月26日、アメリカ軍は沖縄本島に先立って慶良間諸島に上陸した。
渡嘉敷島では山の中で追い詰められた住民が、旧日本軍から配られた手榴弾を使ったり家族の首を縄で絞めたりして命を絶った強制集団死、いわゆる集団自決が起きた。

渡嘉敷村は特に犠牲の多かった3月28日を慰霊の日と定め、毎年慰霊祭を執り行ってきたが、新型コロナの影響で2020年から中止を余儀なくされてきた。

4年ぶりの慰霊祭では、戦没者の名が刻まれた白玉之塔を訪れた遺族らが花を供え、島で暮らす小中学生が平和への想いを込めてつくった千羽鶴を手向けた。

中学生
「自分たちができることは何かと考えたときに、鶴で平和を世界に繋げていこうという思いでつくりました」

孫と参列した女性
「渡嘉敷でもたくさんの人が戦争で亡くなったんだよと、孫を連れてきました」「戦争は絶対やらないほうがいいんだよというのを、ここに刻まれている名前を見せて理解させたいなと思って」

5歳のときに集団自決から逃れた座間味昌茂さん
「78年の月日というのは随分長いなあと」「平和より大事なものはありません」

参列した人たちは静かに手を合わせて戦没者の御霊を慰め平和が続くように祈っていた。

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